誤用が多い「檄(げき)を飛ばす」の意味・語源と正しい使い方の例文

檄を飛ばす

「ゲキを飛ばす」の「ゲキ」を漢字で書いたらどうなるでしょうか?

答えは、「きへん」の「檄」

「さんずい」の「激」ではありません。

でも、「ゲキ」ってそもそも、何?

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檄を飛ばすの意味・語源

「檄(ゲキ)」には2つの意味があります。

1、「昔の中国で役所が出した、人民を呼び集めるための文書」
2、「自分の主張などを書いて、人々に訴え、決起をうながす文書」

中国の役所が出した文書は、木の札に書かれていたので、「檄」は「きへん」です。

今では、おもに「2」の意味で「檄」を使っています。

つまり「檄を飛ばす」とは、文書で人々に自分の主張などを知らせ、同意を求めて行動をうながすことなのです。

檄を飛ばすの使い方・例文

正しい使い方

江戸時代の末期、ききんに苦しむ民衆を救うため、幕府の役人の大塩平八郎が大阪で反乱を起こしました。

これが有名な「大塩の乱」です。

大塩平八郎はその際、自分の考えを文書に記して門下生や農民たちに示し、決起を呼びかけました。

このように自分の主張を書いて人々に示す文書を「檄文(げきぶん)」と呼んでいます。

大塩平八郎の檄文以外にも、「三島由紀夫の檄文」、『三国志』の「陳琳の檄文」など、歴史上には「檄文」が多々見受けられます。

檄文によって人々に自分の考えを示し、同意を求めたり決起をうながしたりすることが「檄を飛ばす」ということです。

現在では、本来の意味で「檄を飛ばす」を使う機会があるか考えてみましたが、選挙を一種の戦いと見れば、次のような例文が成立するのではないでしょうか。

例:〇〇党の党首が、選挙を控えて支持者にメッセージを送り、檄を飛ばした。

間違った使い方

最近では、「檄を飛ばす」は、「強く励ます」「激励する」「奮起させる」という意味で用いられることが多くなりました。

ですが、この用法は本来のものとは異なり、誤った使い方です。

× 監督が選手を集めて、檄を飛ばした。

文化庁の「国語に関する世論調査(平成19年度)」では、本来の意味の「自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること」で使う人が19.3パーセント、誤用の「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」で使う人が72.9パーセントという結果が出ています。

誤った意味で使う人の方が圧倒的に多いのです。

きへんの「檄」を、さんずいの「激」と取り違えて、「激励する」という意味をイメージするのだと思われます。

「檄」は常用漢字ではないので、新聞などでは「ゲキを飛ばす」「げきを飛ばす」と、かな書きになっていることが多いため、つい見慣れた「激」と思い込んでしまうのかもしれません。

まとめ

  • 「檄を飛ばす」とは、「人々を文書で招集する」または「自分の主張や考えを人々に知らせて同意を求める」ということ。
  • 「気合いを入れる」「激励する」という意味で使われることが多くなったが、本来の意味ではない。

政治に深い関わりを持っている人は別として、一般の人々が「檄を飛ばす」を本来の意味で使うことは、あまりなさそうです。

けれども、「檄」でなく「激」と書いたりしないためにも、本来の意味は知っておきたいものです。

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