日本には「ゴールデンウィーク」や「シルバーウィーク」といった連休の呼び名がありますが、実はそれ以外にも、ちょっとユニークな名前で呼ばれる“〇〇ウィーク”が存在します。
それが「プラチナウィーク」「ブロンズウィーク」「エメラルドウィーク」です。
これらは正式な国の制度やカレンダーに載るような名称ではありませんが、メディアやSNSを中心に話題になることも多く、ちょっとした話のネタにもなります。
この記事では、そんな「カラフルなウィーク」たちの意味や由来、実際に使われた事例などをまとめてご紹介します。
▼目次(クリックで見出しへジャンプ)
ゴールデンウィーク・シルバーウィークって？
一般的によく知られているゴールデンウィーク、シルバーウィークを簡単におさらい。
ゴールデンウィーク(GW)
日本の祝日が集中する4月末〜5月初めにかけての大型連休を指します。
シルバーウィーク(SW)
9月の敬老の日と秋分の日がうまく並ぶことで発生する、秋の連休のことです。
GW、SW共に法律で定められた祝日を基に成り立っていますが、その年の暦によって長さが変わるのが特徴です。
💎 プラチナウィーク
プラチナウィークって？
「プラチナウィーク」とは、ゴールデンウィークを超えるような “超大型連休” が発生したときに使われる言葉です。
由来は、その名のとおり「ゴールドより高価なプラチナ」から来ており、「超レア」や「特別な連休」というニュアンスを込めて、メディアなどが使い始めた造語です。
実例：2019年の改元による10連休
もっとも有名な「プラチナウィーク」の事例は、2019年(平成から令和への改元)の際に発生した超レアな10連休です。
- 天皇の即位に伴って5月1日が臨時の祝日(天皇即位の日)に
- 祝日に挟まれた4月30日と5月2日が「国民の休日」となり、祝日が3つ連続で追加される形に
結果的に4月27日(土)から5月6日(月)までの10日間が丸ごと休みになりました。
これほどの大型連休は非常に珍しく、多くのメディアが「プラチナウィーク」と報じました。
「国民の休日」とは？
祝日に挟まれた平日が自動的に休日になる制度です(祝日法 第3条第3項)。
1985年(昭和60年)の祝日法改正で制定され、いわゆる“飛び石連休”の真ん中が休日になる仕組みが出来ました。
誰が使う？
観光業界や旅行会社がキャンペーンの一環として用いたり、メディアが話題性を持たせて使うことが多い言葉です。
一般にもSNSなどを通じて徐々に広まりましたが、常に使われるわけではなく、実際に超大型連休がある年にのみ使われる“期間限定”の呼称といえます。
他にもプラチナ扱いされそうな年は？
2024年は、最大で9連休の可能性もあったけれど、祝日の並びが少し途切れるため“準プラチナ”くらい。
現状では、2019年が唯一の「完璧なプラチナウィーク」といえる年です。
🌿 エメラルドウィーク
エメラルドウィークとは？
ゴールデンウィークが終わった後、5月中旬〜6月上旬にかけて、有給休暇を活用して連休を作るスタイルを指します。
名前の由来は、新緑が美しい時期ということで、緑色の宝石である「エメラルド」にちなんで名付けられています。
例えば、2025年5月のゴールデンウィーク明け 5/12(月) ～ 5/16(金) の5日間に休暇を取ると、9連休となります。
水曜～金曜の3日間と土日をくっつけて5連休にするなども出来ますね。
なぜこの時期？
ゴールデンウィーク直後は旅行需要が一段落しており、航空券や宿泊料金が比較的安くなる傾向があります。
そのため、あえてこの時期に休暇を取り、混雑を避けて旅を楽しむ「賢い休み方」として注目されるようになりました。
使われ方
旅行サイトやライフスタイル系のメディア、個人ブログなどで見かけることが多く、一般的には「ゴールデンウィークを避けたゆったり旅行」というイメージで使われます。
SNSでの発信にも相性が良く、旅の写真とともに「#エメラルドウィーク」と投稿されることもあります。
🥉 ブロンズウィーク
ブロンズウィークとは
秋のシルバーウィークほどではないけれど、9月頃に祝日と有給休暇を組み合わせることで連休にできる期間を指します。
名前の由来は、「ゴールド(GW) → シルバー(SW) → ブロンズ(BW)」と、価値のグラデーションになぞらえたユーモラスなネーミングです。
具体的にはいつ？
たとえば、9月の敬老の日(第3月曜)と秋分の日(年によって異なる)が離れている年でも、その間に有休を取得すれば連休を作ることが可能です。
こうした「ちょっと頑張って休みを作る連休」がブロンズウィークと呼ばれます。
例えば、2025年9月は敬老の日と秋分の日が離れてますが、間の平日を休むことで、最大11連休となります。
誰が使う？
まだ一般的にはあまり広まっていない造語ですが、連休を取りたい会社員やフリーランスの間で、カレンダーを見ながら「ここ、ブロンズウィークにできるかも？」と話題にするケースもあります。
どう使われているの？
これらの「〇〇ウィーク」は、正式な休日制度ではありませんが、メディアが話題作りのために使ったり、旅行会社がキャンペーン名に採用することで、少しずつ広まりを見せています。
たとえば、ある旅行代理店では「エメラルドウィーク割」といった割引キャンペーンを打ち出したことがあり、SNSでも「#ブロンズウィーク旅行」「#プラチナウィーク満喫中」などのハッシュタグが散見されます。
また、自分でカレンダーを調整して連休を作る「カスタム連休」が注目される昨今、こうしたネーミングは「自分だけの休みを楽しむ」ためのちょっとしたモチベーションにもなるのかもしれません。
まとめ
「プラチナウィーク」「エメラルドウィーク」「ブロンズウィーク」は、いずれも正式な休日ではありませんが、どれも遊び心と実用性を兼ね備えた言葉です。
名前の響きに引かれて、いつもとは違う時期に休暇をとってみたくなる方も多いのではないでしょうか。
ゴールデンウィークのように世間が一斉に休むわけではないからこそ、自分のスタイルに合わせた“プチ贅沢”な連休を楽しむのも一つのアイデア。
あなたのカレンダーにも、次の「〇〇ウィーク」が隠れているかもしれませんよ。
