「鑑賞」と「観賞」。漢字も意味も似ているこの2つ、使い分け出来てますか?
漢字が似ている他の「かんしょう」についてもご紹介します。
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「鑑賞」と「観賞」の意味
広辞苑(岩波書店 第7版)でそれぞれの意味を調べてみました。
[鑑賞]
芸術作品を理解し、味わうこと。
[観賞]
見て楽しむこと。
具体的には?
「鑑賞」
「鑑賞」は主に芸術作品を楽しむ場合に用いられます。
例えば…
- 映画鑑賞が趣味だ
- 美術館で世界の名画を鑑賞する
- 静かな部屋で音楽を鑑賞した
例からも分かる通り、「鑑賞」は目だけに限らず、耳などの5感で芸術を味わう時に使います。
「観賞」
「観賞」は主に自然な姿を自分の目で見て楽しむ場合に用いられます。
例えば…
- 桜の花を観賞する
- 観賞魚
- 月を観賞する
映画や舞台などは一般的に「鑑賞」が用いられますが、コメディー要素の高い作品などはあえて「観賞」を使うこともあるようです。
「鑑賞」「観賞」の類語は?
- 見る
- 観る
- 観覧
芸術作品を楽しむ場合に用いられる「鑑賞」は、
- 味わう
- 愛でる
- 噛みしめる
なども似た表現になりますね。
英語では?
鑑賞:appreciation
芸術を味わう意味のある「鑑賞」は「真価を認めること、評価すること」の意味を持つ “appreciate” が使われます。
他にも、
- read poetry (詩を読む)
- watch movie (映画を見る)
- listen to music (音楽を聞く)
など、読む・見る・聞くと言う言葉で「鑑賞する」を表現しても大丈夫です。
観賞:admiration
「観賞」は「感心して眺める」の意味を持つ “admire” が使われます。
他にも、
- ornamental plant (観賞用植物)
- decorative fireplace (観賞用暖炉)
など、飾って楽しむ〇〇と言う表現も出来ます。
漢字が似ている「かんしょう」
観照
①[仏]知彗をもって事物の実相をとらえること。
②対象を、主観を交えずに冷静にみつめること。
③[美]自然・芸術を問わず、美的対象の受容における直観的認識の側面。
勧賞
⇒けんじょう。
功労を賞して官位を授け、または物を賜ること。
感賞
①感心してほめること。
②功を賞して賜る褒美。
これらの言葉は漢字が似ているだけで、意味が違いますので、漢字変換時にお気をつけください。
まとめ
- 「鑑賞」は、芸術作品を理解し、味わうこと。
- 「観賞」は、見て楽しむこと。
- 漢字が似ている「かんしょう」は複数ある為、漢字変換時に注意。