4月1日生まれが1つ上の学年になる理由とは？制度の背景を解説

何故4月1日生まれの子は早生まれとなるのか知ってますか？

日本の学年は4月1日から翌年3月31日までと定められており、満6歳になって初めて迎える4月1日に小学生となります。
なので、4月1日生まれの子は6歳の誕生日を迎えた翌年の4月に入学すると思われがちですが、実は同じ年の4月(つまり6歳の誕生日の日)に小学生となります。
本記事では、何故3月31日ではなく、4月1日生まれの子が学年の区切りとなるのか、その成り立ちと背景について詳しく解説します。

そもそも早生まれって？

1月1日から4月1日までに生まれた子を一般的に「早生まれ」と言います。
同じ年の4月2日以降に生まれた子どもよりも1つ上の学年に属することになるため、「早生まれ」と言われるようになりました。

誕生日別小学校入学年度一覧

誕生日	入学年度
2019年4月2日 ～ 2020年4月1日生まれ	2026年4月 (令和8年度)
2020年4月2日 ～ 2021年4月1日生まれ	2027年4月 (令和9年度)
2021年4月2日 ～ 2022年4月1日生まれ	2028年4月 (令和10年度)
2022年4月2日 ～ 2023年4月1日生まれ	2029年4月 (令和11年度)
2023年4月2日 ～ 2024年4月1日生まれ	2030年4月 (令和12年度)
2024年4月2日 ～ 2025年4月1日生まれ	2031年4月 (令和13年度)

学年区分の仕組みとルール

学校教育法施行規則 第59条

第五十九条　小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(学校教育法施行規則 第3節 学年及び授業日 第59条より引用)

日本では学校教育法施行規則 第59条により、「4月1日から翌年3月31日までを1学年」としています。
つまり、4月1日が学年の初日であり、小学校1年生は4月1日から小学生としての生活がスタートします。

学校教育法 第17条

第十七条 保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。
(学校教育法 第2章 義務教育 第17条より引用)

そして第17条には「満6歳に達した翌日以後の4月1日(学年の始め)に小学校に入学する」と定められています。

ここでポイントなのが「翌日以後」と「4月1日生まれの子は ”いつ” 6歳になるのか」と言うところです。

例えば、2019年5月1日生まれの子の場合、2026年4月1日が満6歳に達した翌日以後初めて迎える4月1日なので、2026年4月1日に小学生になります。
では、2020年4月1日生まれの子が満6歳に達した翌日以後初めて迎える4月1日は何年の4月1日になるのでしょうか？

4月1日生まれが1つ上の学年になる理由

年齢計算に関する法律 と 民法第143条

①年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
(年齢は出生の日からこれを起算す)
②民法第143条ノ規定ハ年齢計算ニ之ヲ準用ス
(民法第143条の規定は年齢計算にこれを準用す)
(年齢計算ニ関スル法律より引用)

(暦による期間の計算)
第百四十三条　週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
２ 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
(民法 第6章 期間の計算 第143条より引用)

法律的に年を取る日

一般的に、誕生日に1歳年を取ると考えている方が多いと思います。
つまり、4月1日生まれの子は翌年4月1日に1歳年を取ります。

しかし、法律的には違います。
年齢計算に関する法律の「年齢は出生の日からこれを起算す」より、
生まれた日を起算日と考えます。

民放第143条の「その期間は、起算日に応当する日の前日に満了する」より、
1年と言う期間は翌年の起算日と同じ日の前日に満了となります。

この2つを4月1日生まれの子に当てはめると、
起算日 ＝ 生まれた日である4月1日
期間(1年)を満了する日 ＝ 年を取る日 = 翌年の3月31日(4月1日の前日)

つまり、4月1日生まれの子は1年後の3月31日に1年を満了し、1歳年を取ります。
厳密には、3月31日が終わる瞬間(24時)に1歳年を取ります。

4月1日生まれが入学する年は？

ここで思い出して頂きたいのが、学校教育法 第17条の
「満6歳に達した翌日以後の4月1日に小学校に入学する」
と言う定め。

その為、

◇2020年4月1日生まれの子の場合◇
2026年3月31日に6歳になる → 翌日の4月1日から小学生

となります。

まとめ

一見不思議に思える4月1日生まれの学年の扱いですが、制度を紐解いていくと、しっかりとした理由があることがわかります。
知ってしまえば「なるほど」と思える仕組みですね。

4月1日生まれが1つ上の学年に属する理由は、教育制度と法律に基づくものです。
制度のしくみを知ることで、学年の区切りに対する疑問もクリアになり、安心して入学のタイミングを迎えられるのではないでしょうか。