節分といえば、豆まきを思い浮かべる方が多いでしょう。
豆を撒きながら「鬼は外!福は内!」と声をかけ、邪気を払い福を招く行事として、日本全国で親しまれています。
しかし、この豆まきの掛け声は、地域によって少しずつ異なることをご存じでしょうか?
この記事では、豆まきの由来や地域ごとの掛け声の違いについてご紹介します。
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豆まきの由来
節分の豆まきの起源は、古代中国の「追儺(ついな)」という儀式に由来します。
奈良時代に日本に伝わったこの儀式は、鬼に扮した者を追い払うことで災いを遠ざけるもので、大晦日に行われていました。
節分は、旧暦の正月である立春の前日にあたり、新しい年の始まりを迎える準備として行われます。
この時期は、季節の変わり目で邪気が入りやすいと考えられており、それを払いのけるために豆まきをする習慣が生まれました。
豆を撒く行為には、「魔(ま)を滅(め)する」という語呂合わせも含まれており、邪気を払うとともに新しい年に福を呼び込む意味があります。
地域別の掛け声
豆まきでは「鬼は外!福は内!」という掛け声が日本全国で広く使われていますが、地域によって少しずつ異なる言葉が用いられています。
鬼を追い出す掛け声
天打ち、地打ち、四方打ち、福は内、鬼は外、鬼の目玉ぶっつぶせ!
宮城県の一部地域
「天打ち、地打ち、四方打ち」は天地・東西南北へ豆を撒くことで、鬼を追い払う為の掛け声。
「鬼の目玉ぶっつぶせ」はそれでも逃げない鬼に対して、攻撃するぞという脅しの為の掛け声。
千秋万歳福は内!
東京都台東区浅草 浅草寺
「観音さまの前には鬼はいない」との考えから、「鬼は外」とは言わず、「千秋万歳福は内」という掛け声になった。
福は内!
千葉県成田市成田 成田山新勝寺
「不動明王の慈悲が大きいので、邪悪な鬼も屈服し改心してしまうから」との考えから、「福は内」のみの掛け声になった。
鬼を招き入れる掛け声
鬼は内!福は(も)内!
群馬県藤岡市鬼石(おにし)
鬼が投げた石が落ちた場所が鬼石町だったという伝承のある町。
節分で追い出された鬼たちを招き入れようと、「鬼は内、福は(も)内」という掛け声になった。
※現在鬼石町は藤岡市に統合され、鬼石地区として名前を残している。
福は内!鬼も内!
岩手県北上市 鬼の館
鬼の館は、地元に伝わる鬼剣舞にちなんで、鬼に関する様々な資料を集めた博物館。
鬼に関する資料を集めていることから、節分で追い出された鬼が集まるようにと、「鬼も内」という掛け声になった。
鬼は内!福は外!
京都福知山市大原
この掛け声になった由来は
- 大原地区にある大原神社に鬼を迎え入れて(鬼を内に入れる)、改心させ福となったものを地域の家にお返しした(福を外に出す)
- 昔、大原神社のある地区を納めていた藩主が「鬼」が入る「九鬼」という名で、「鬼は外」とは言えなかった
の2説ある。
まとめ
一般的に節分の豆まきは、「鬼は外!福は内!」と鬼を追い出す掛け声が使われていますが、地域によって鬼を招き入れるものもありました。
あなたの地域ではどのような掛け声が使われていますか?
昔ながらの伝統を守りつつ、時代に合わせて工夫された方法も楽しみながら、今年の節分をぜひ家族や友人と一緒に楽しんでみてください!


