「鮫(サメ)」と「鱶(フカ)」の違い、皆さんははっきりと理解していますか?
サメのヒレをなぜ「サメヒレ」ではなく、「フカヒレ」と言うのでしょうか?
今回は「鮫(サメ)」と「鱶(フカ)」の違いについて調べてみました。
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「鮫(サメ)」とは?
軟骨魚網板鰓類(ばんさいるい)で、エイ目以外のものの総称。
※広辞苑(岩波書店 第7版)より
つまり、「鮫」とは、サメ全般を指す一般的な名称。
鮫は世界に約400種、日本近海でも約100種存在しており、気質の荒い肉食のホオジロザメやメジロザメだけでなく、巨大(全長20メートル)のジンベイザメや特殊な形態のシュモクザメなどがいます。
「鮫」の語源は?
体に対して目が小さいことから、
「小さい目 → 小目(さめ)」や「狭い目 → 狭目(さめ)」
が語源とされています
ちなみに、漢字の「鮫」は、
- 上下の牙をむき出しながら交えている姿が特徴的だから
- 歯を交換出来る(多生歯)から
と言う意味から、「魚」+「交」が使われたと言われています。
「鱶(フカ)」とは?
サメ類の関西での地方名。
関東などでは特に大型のものを指す。
※広辞苑(岩波書店 第7版)より
つまり、「鱶」とは、地方によって使い分けられている呼び方で、関西圏ではサメ全般のことを指し、関東などでは特に大きいサメのことを指します。
ちょっと豆知識
中国地方では、鮫を「ワニ(和邇)」と呼んでいる地域もあるそうです。
因幡の白兎に登場する「ワニ」はサメのことだと考えられています。
和名に「ワニ」が入る「シロワニ」や「ミズワニ」などの鮫も存在します。
「鱶」の語源は?
「海の深いところに棲んでいる」
ことが語源とされています
ちなみに、漢字の「鱶」は、
- 胎内で卵を孵化させて「子を養う」卵胎生(らんたいせい)の魚だから
と言う意味で「魚」+「養」が使われたと言われています。
「鮫(サメ)」と「鱶(フカ)」の違いについて
- 「鮫」は、サメ全般を指す一般的な名称
- 「鱶」は、関西圏ではサメ全般のこと、関東などでは特に大きいサメのことを指す
ことがわかりました。
つまり、実際は同じ魚を意味しています。
その見た目から、地方によって「鮫」や「鱶」と言う言葉が生まれ、それが全国に広く広まったのが「鮫」だったと言うところでしょうか。
ちょっと豆知識
鮫とエイの見分け方って知ってますか?
体の形からわかりそうですが、実はそうではありません。
鰓孔(えらあな:呼吸する為に水を出入りさせる孔)の位置で決まります。
鮫は体の横にあり、エイは体の下にあります。
なんで「フカヒレ」?
高級食材として知られる「フカヒレ」。
鮫のひれを使っているのはよく知られていると思いますが、何故「サメヒレ」ではないのでしょうか?
明確な答えはないようですが、
大型の鮫(=鱶)が使用されることが多い為、「フカヒレ」と呼ばれている説が有力です。
まとめ
- 「鮫(サメ)」・・・サメ全般を指す一般的な名称
- 「鱶(フカ)」・・・関西圏ではサメ全般のこと、関東などでは特に大きいサメのことを指す
であり、鱶と鮫は同じ魚のことである。
今回は「鮫(サメ)」と「鱶(フカ)」の違いについてご紹介しました!