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知識・教養

【どれを使う?】「合う」「会う」「逢う」「遭う」「遇う」の意味と使い分け、英訳の違いまで解説

日本語には同じ「あう」と読む言葉が複数あり、漢字によって意味や使い方が異なります。
特に「合う」「会う」「逢う」「遭う」「遇う」は、読みは同じでもニュアンスや使う場面が違います。
今回はそれぞれの意味や使い分け、さらに英訳するときのニュアンスの違いまで、分かりやすく解説します。

「合う」とは?

意味

二つ以上の物を集めて一つにする。重ね合わせる。
広辞苑(岩波書店 第7版)より

物事が一致する、調和する、または適していること。

サイズや形、意見などがぴったり一致する場合に使います。

例文

  • この服は私によく合う。
  • 二人の意見が合う。
  • 鍵が錠前に合う。

「会う」「逢う」「遭う」「遇う」とは?

意味

二つ以上が寄り集まり、相手を認める。
《会・逢》たがいに顔を見て相手柄を認識する。顔を合わせる。対面する。
《遭・遇》何かをしている時に、悪い事態が自分の身に起こる。いやな体験をする。遭遇する。
広辞苑(岩波書店 第7版)より

共通の意味

人や物事と顔を合わせる、もしくは何かが起こって接触すること。
 

会う (一般的な出会い)

人や動物などと顔を合わせる、出会う。中立的で日常的な言葉。
 

逢う (感情的・ロマンチックな出会い)

恋人や特別な人と会う、心の通う出会い。文学的な表現。
 
 

遭う (災難・不運な出来事)

災難や望まない出来事に出くわす。ほぼネガティブ専用。
 
 

遇う (思いがけない良い出会い)

思いがけず人や物事に巡り会う。やや古風で、良い意味寄り。

「遇う」の意味の変化
「遇う」という漢字は、古くから日本語や中国語で使われてきましたが、意味のニュアンスに変化があります。

広辞苑では、「遇う」は「遭う」とほぼ同じく、何か悪い事態に出会う、嫌な体験をするという意味が強調されています。
つまり、ネガティブな場面での使い方が記載されています。

しかし、現代での使われ方は少し違います。
現代の日本語では、「遇う」は

  • 思いがけず良い人や機会に巡り会う、
  • 恵まれた状況に出会う

というポジティブな意味合いで使われることが多くなっています。

なぜ意味が変わったのか?
「遇う」の意味変化には以下のような流れがあったと考えられます。

  • 1.古くは中立的な意味
    「遇う」は本来、「人や出来事に出会う」という中立的で広い意味を持っていた。
    良い場面・悪い場面どちらでも使われていた。
  • 2.ネガティブな意味への偏り
    時代が進むにつれ、良い出会いは「会う」「逢う」など別の表記に置き換わり、「遇う」は災難や不運など、偶発的で望ましくない事態に使われる例が増えた。
  • 3.辞書への反映
    このネガティブ寄りの使い方が主だった時期の用法をもとに、広辞苑など一部の辞書では「遇う」を災難・悪い事態の出会いとして定義するようになった。
  • 4.現代での変化
    近年では、悪い意味では「遭う」が主に使われるようになり、「遇う」は日常語としてはあまり見られなくなった。
    使われる場合は「良い出会い」にも用いられることが多く、ポジティブ寄りに戻る傾向も見られる。
    ただし、辞書は長い期間にわたる使われ方を踏まえてまとめられるため、最近のニュアンスの変化がすぐに反映されるとは限らない。

※これはあくまで推測的な整理であり、必ずしも唯一の説明ではありません。

例文

会う (一般的な出会い)

  • 駅で友達に会う。
  • 明日、先生に会う予定だ。

逢う (感情的・ロマンチックな出会い)

  • 久しぶりに恋人に逢う。
  • 運命の人に逢った気がする。

遭う (災難・不運な出来事)

  • 交通事故に遭う。
  • 大雨に遭ってびしょぬれになる。

遇う (思いがけない良い出会い)

  • 名医に遇うことができた。
  • 偉大な師に遇って人生が変わった。

「合う」「会う」「逢う」「遭う」「遇う」の使い分けポイント

主な意味 感情ニュアンス 主な場面
合う 一致・調和・適合 中立 サイズ・形・意見など
会う 一般的な出会い 中立 人に会う、予定された出会い
逢う 特別な感情の出会い ロマンチック 恋人・運命的な出会い
遭う 災難に出くわす ネガティブ 事故、事件、自然災害
遇う 思いがけず良い出会い ポジティブ寄り 名医、恩師、好機など

英語で表すと?

「合う」の英訳

主な訳語:

  • match
    調和する・ぴったり合う。
    見た目や組み合わせの調和を表すとき。
  • fit
    サイズや形が合う。
    服・物理的なサイズがちょうどいいとき。
  • suit
    似合う・ふさわしい。
    人に似合う、雰囲気や性格に合っているとき。

例文:

  • This bag matches your shoes.
    → このバッグはあなたの靴に合っている。
  • These jeans don’t fit me.
    → このジーンズは私のサイズに合わない。
  • This shirt really suits you.
    → このシャツはあなたによく合う。

「fit」と「suit」で意味が変わる
These jeans don’t fit me.

These jeans don’t suit me.
に変えると、
サイズが合わない → 似合わない
と言う意味に変わります。

サイズの話なら fit、雰囲気やスタイルの話なら suit を使い分けるのがポイントです。

「会う」の英訳

主な訳語:

  • meet
    人と初めて会う、あるいは事前に約束して会うとき。
  • see
    ちょっと会う、様子を確認する、日常的な場面で気軽に会うとき。

例文:

  • I will meet my friend at the station.
    → 駅で友達に会う。
  • I want to see my grandparents soon.
    → 早く祖父母に会いたい。

「逢う」の英訳

主な訳語:

  • fateful meeting、come across fatefully、be destined to meet
    運命的な出会い。
  • romantic encounter
    ロマンチックな出会い

「逢う」の持つドラマチック・情緒的な雰囲気を出すために、「会う」の意味を持つ言葉に、fate(運命), destiny(運命), romantic(ロマンチック) などを組み合わせる。

例文:

  • It was fate that we met that night.
    → あの夜に私たちが逢ったのは運命だった。
  • I feel like I came across my destiny.
    → 運命に逢ったような気がする。
  • They had a romantic encounter in Paris.
    → 彼らはパリでロマンチックな出逢いをした。

「遭う」の英訳

主な訳語:

  • encounter
    (思いがけず)出くわす、遭遇する
  • be involved in
    (事故や事件など)に巻き込まれる
  • suffer from
    (被害・病気などを)受ける、苦しむ

例文:

  • He encountered many difficulties in his journey.
    → 彼は旅で多くの困難に遭った
  • She was involved in a car accident.
    → 彼女は交通事故に遭った
  • The town suffered from a major earthquake.
    → その町は大地震に遭って被害を受けた。

「遭う」を英語にするときは、出来事との関わり方の深さによって訳し方が変わります。

  • encounter
    👉 災害や出来事に「出くわした」「経験した」という中立的な表現。
  • be involved in
    👉 災害や事故などに「巻き込まれた」というニュアンス。出くわしただけより、被害を受けた印象が強い。
  • suffer from
    👉 出会った出来事によって「苦しんだ」「被害を受けた」ことを強調するときに使う。

「遇う」の英訳

主な訳語:

  • come across
    偶然ポジティブな出会いをしたときによく使う。
  • encounter
    通常は中立的だが、文脈次第でポジティブに「出会う」と表現できる。

例文:

  • I came across an old friend at the station.
    → 駅で昔の友人に遇った。
  • I came across a wonderful book in the library.
    → 図書館で素晴らしい本に遇った。
  • We encountered many kind people during our trip.
    → 旅の間にたくさんの親切な人々に遇った。

まとめ

同じ「あう」でも、漢字によって意味やニュアンスが大きく変わります。
特に「逢う」は文学的・感情的、「遭う」は災難専用、「遇う」はやや古風でポジティブ寄りという違いを覚えておくと便利です。
文章や会話で使い分けることで、より正確で豊かな表現ができます。