セキセイインコは南の国からやってきたインコです。
野生のインコは外で暮らしていますので、南の国が日本より暖かいとはいえ、朝晩、寒暖差のある環境で生きています。
ところが、人工的に繁殖されたセキセイインコには、この寒暖差に耐える力が備わっていません。
なので、飼い主が常に適温に調節してあげる必要があります。
「セキセイインコにとっての適温って何度?」
「適温に近づける方法はある?」
今回はそんなお悩みにお答えいたします!
▼目次(クリックで見出しへジャンプ)
インコが過ごしやすい温度とは?
年齢・状態 | 適温 |
---|---|
1歳未満・7歳以上 | 25~30℃ |
1~6歳 | 20~25℃ |
病気の時 | 30℃ |
インコの年齢や状態により、「適温」は変わると思ってください。
雛や1歳に満たないジュニアや、7歳以上のシニアでは25~30℃。
1歳から6歳の、現役バリバリ時代は20~25℃。
病気のときは30℃!
病気のときに温度を上げなければならないのは、セキセイインコだけではなく鳥の世界の常識なのです。
バリバリ時代には、ちょっと寒いくらいに慣れてもらっておくのも大事です。
常に暖かいと抵抗力も鍛えられません。
室温はどうすればいい?
室温全体の温度を調節するには、エアコンが一番です。
でも、エアコンでネックになるのは「電気代」で、一日中エアコンを点けっぱなしに・・・という方法は現実的ではないので、方法からは除外しておきます。
そもそもインコは、その部屋全体を占領しているわけではないので、インコのカゴ周りだけを快適にしてあげればいいのです!
でも、温度を上げる時はカンタンですが、カゴ周りだけ涼しくするのは、ちょっとコツがいります。
それぞれの季節に合わせた、インコのための温度調節方法のコツを、次でご紹介していきますね!
春・秋の室温
室温は飼い主のお宅によって環境が異なりますので、気象庁による季節ごとの平均気温を目安にしてください。
※各季節の区分けは、暦ではなく気象庁の区分です
春(3月~5月)
3月 | 15.4℃ |
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4月 | 20.2℃ |
5月 | 22.4℃ |
秋(9月~11月)
9月 | 24.4℃ |
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10月 | 18.7℃ |
11月 | 11.4℃ |
この季節は、基本的にはなにもしなくて大丈夫。
せっかくお天気がよいので「ひなたぼっこ」をさせてあげたらよい季節です。
過ごしやすい春と秋ですが、11月にもなると「11.4℃」と気温が下がりました。
これはインコには・・・ちょっと肌寒い季節!。
ヒーターはまだ要らないですが、少しずつカゴにカバーを取り付けていくなど冬にむけての対策が必要な時期です。
その他の月は、日によって暑かったり涼しかったりしますので、平均気温にとらわれすぎず、インコの状態を見て調節しましょう。
この時期にめったに見ませんが、インコがフワッと羽根を膨らませているときは「寒い」時です。
羽根を膨らませて、暖かい空気を保っているのです(まさにダウンジャケット!!)。
夏の室温
夏(6月~8月)
6月 | 22.4℃ |
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7月 | 25.4℃ |
8月 | 27.1℃ |
暑い季節がやってきました!
この季節、注意するのは「外より、家の中の方が暑い場合」です。
部屋の場所や夏は日照時間が長いことで、どんどんと気温が上がり、部屋の温度が40℃になることも珍しくありません。
夏の日差しが長時間インコに当たり続けたら、とっても危ないです。
夏のインコの暑さ対策は、
- 日陰を作る(窓の付近にパテーションを立てる、遮光カーテンを着ける)
- 部屋の空気を循環させる(窓を開ける、換気扇を回す、扇風機をつける)
- 窓ガラスに、市販の「断熱シート」を貼る
このように、「外気の熱をできる限り遮断する」「空気をこもらせない」ようにすれば、同じ夏でも、やっぱり違います。
それでも今日は猛暑だ!と思うときの緊急対策としては、カゴの上に氷を置くことです。
ペットボトルに水を入れて凍らせたものを、水が落ちないようにタオルなどを敷いて、カゴの上に置いてあげましょう。
短時間しか持ちませんが、ちょっとエアコンをつけたくらいの効果はあります。
(カゴは金属で出来ているので、カゴも冷えますし、冷たい空気は下に向かいます。)
そこに扇風機の風(直接インコに当たらないように!)を加えれば、グンとカゴ周りが涼しくなりますよ!
冬の室温
冬(12月~2月)
12月 | 8.9℃ |
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1月 | 6.1℃ |
2月 | 7.2℃ |
インコが苦手な季節到来!
カゴに囲いをつけて、ヒーターも稼動させてあげましょう。
そして床の温度を遮断するように、カゴを直接床に置かないことも効果があります。
(わが家では古くなったキッチンマットを下に敷いています。)
囲いは、ビニールやナイロン製のものを、ヒーターと接触しないように被せます。
私は、ホームセンターで半透明のナイロンシートを買ってきて、カゴのサイズに合わせて自作しましたよ~!
ポイントは、暗くならないように半透明で、熱にも強い素材(ヒーターの影響をうけないように)であることです。
保温効果はたいしたもので、インコのエサを変えるときなど、カゴに手を入れると「ホンワカ」と暖かい空気が出来上がっています。
空気が循環しないのも良くないので、密閉にならないよう、カゴの前面は「フルオープン」にしています。
その他温度に関する注意点3つ
暖めすぎ、冷やしすぎが良くないのは、インコも人間も同じです。
暖めすぎで心配なのは、「のぼせ」や「熱中症」以外にも「発情」しやすくなることがあります!
繁殖適齢期には過保護にせず、多少の過酷さに耐えてもらうことも大切です。
適齢期でも病気の時は別です!その時はグンと温度を上げてあげましょう。
- 雛時代、老年期は温度を「やや高め」にしましょう。
- 病気の時は温度を「高め」にしてあげましょう。
- 繁殖適齢期の成鳥は、「上記より低め」にしましょう。
まとめ
- 人工繁殖のインコは「寒暖差」に弱い
- 過ごしやすい「秋」でも11月には対策を始める
- 「夏」は直射日光に注意、アイテムを使って外気温を遮断する
- 「冬」はもっとも過ごしにくい季節、ヒーター&カバーであたたかい空間をつくる
- 暖めすぎにも注意が必要
- 雛・老鳥・病気の場合は、温度は高めにする
昔、わが家にいた「コザクラインコ」はベタなれしたインコでした。
コザクラさん、朝起きたらまず最初に、私の服の中に入ってきていました。
それは初夏ごろまで続きました。
真夏は、おいでと呼んでも服には入りませんでした。
つまり・・・初夏頃の明け方って(人間である私には「涼しい」くらいですが)コザクラには寒かったのです。
インコは人間より寒がりであることを覚えておいてくださいね。