「乗る」、「載る」。
同じ読み方をする2つの漢字ですが、違いは何なのでしょうか?
また相談に「のる」という場合はどちらを使うのでしょうか?
それぞれの漢字の正しい意味と使い分けを調べてみました。
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乗るの意味・使い方
乗るの意味は、大きく3つあります。
Ⓑ 他の流れと一緒になって運ばれる
Ⓒ 一定の基準・要求に合致する
使い方としてはⒶの場合、「子供が母親の膝に乗っている」というような使い方が正しいことになりますね。
またⒷの意味では「祭りの太鼓が風に乗って聞こえてくる」といった使い方をします。
最後にⒸの意味で使われる場合は「ついに株価が3万円の大台に乗る」といった表現になります。
乗るは他にも以下のように使われます。
例:小舟が川の流れに乗って進む(Ⓑ)
例:調子に乗って失敗する(Ⓑ)
例:会社の経営が軌道に乗る(Ⓑ)
例:おだてに乗って痛い目に合う(Ⓑ)
例:相手の提案に乗る(Ⓒ)
例:今日は気分が乗らない(Ⓒ)
例:脂の乗った肉を食べる(Ⓒ)
載る意味・使い方
載るの意味は、大きく2つあります。
Ⓑ 新聞や本に記録される
使い方としては、Ⓐの場合「テーブルの上に鏡が載っている」といった表現があります。
またⒷの場合は、「朝刊の記事に友達が載っていた」といった使い方になります。
最近はネットに情報が書かれることもあるため、「ホームページに新製品の情報が載っていた」というように印刷物以外にも使われるようです。
例:電話帳に載っている旅館に片っ端から電話をする
乗る・載るの違いは?
さて、ここまで2つの漢字の意味と使い方を見てきました。
それぞれの違いについて整理していきたいと思います。
まず大雑把に言ってしまえば、例文の数からもわかるように「乗る」は多くの場面で使われるのに対し「載る」は使う場面が限られています。
なのでとりあえず「Ⓐ『物』が何かの上に置かれている」「Ⓑ新聞・本に記録される」場合は「載る」を使い、それ以外は基本的に「乗る」を使うと覚えておけば日常生活で困ることはないと思います。
もう少し詳しくみていくと、どちらもⒶの意味では「何かの上にある」という点で共通しています。
ただし上にある(いる)のが人の場合は「乗る」、物の場合は「載る」と使い分けます。
「載る」はⒶの意味から大きな広がりはなく、文字が紙の上に置かれているということでⒷの「新聞や本に書かれる」という使い方につながります。
一方で「乗る」は意味が派生し、置かれたまま動いて運ばれるというⒷの意味が生まれ、さらには運ばれて一定の基準に達するというⒸの意味に至っています。
最後になりましたが、相談に「のる」の場合はどうなるのでしょうか?
相手の相談を聞いてほしいという要求に応えているので「乗る」(Ⓒの意味)を使いますね。
まとめ
それでは今回調べたことをまとめます。
- 乗るは「Ⓐ人が何かの上に身を置く、Ⓑ他の流れと一緒になって運ばれる、Ⓒ一定の基準・要求に合致する」という意味
- 載るは、「Ⓐ物が何かの上に置かれる、Ⓑ新聞や本に記録される」という意味
- Ⓐの意味で使う場合は、上にある(いる)のが人なら「乗る」、物なら「載る」
- 紙の上に文字を置くという意味では「載る」を使う
- 上に置かれたものが運ばれる、一定の水準に合致するという意味では「乗る」使う
いかがだったでしょうか。
「乗る」は意味が多くてすべて覚えるのは大変ですね。
「載る」が使われるパターンを覚えておき、それ以外は「乗る」を使うようにするのがいいかもしれません。