セキセイインコの可愛いところ。
つぶらな目、小さなクチバシ。
鮮やかな色彩をしたフカフカの体に、長いシッポ・・・。
見ているだけで、抱きしめたくなる(危険!)ビジュアルを持っています。
鳴き声もバラエティに富んでいて、長く飼っていると「意志の疎通」がはかれるようになりますよね。
何といっても、飼い主さん大好きで「いつも一緒にいたい!」と付きまとう愛情深い性質があります。
そこに「おしゃべり」という能力まで備わっているとしたら・・・こんな完璧な生き物、他にいるでしょうか?!
出来ればうちのインコにも「おしゃべり」して欲しい!と願う人は後を絶ちません。
「おしゃべり」してもらうには、飼い主がインコを苦労を共にする(大げさ)必要があります。
今日はそんな楽しい「苦労の仕方」のご紹介です!
そもそもセキセイインコは喋るの?
セキセイインコがお喋りが得意なことには、きちんと理由があります。
カラスの知能の高さはよく知られていますが、カラスってお喋りしませんよね。
カラスはセキセイインコのようには「喋ることが出来ない鳥」です。
セキセイインコとカラスの違い、「舌の形状」に秘密があります。
セキセイインコの舌は、分厚くて先が丸い形をしています。
いっぽうカラスの舌は、薄くて尖った形をしています。
結果から言えば、「セキセイインコの舌は人間の舌の形と似ているからお喋りができる」のです。
このことから、聞きなじんだ言葉をマネして発声すること(お喋りをすること)には、身体構造上不思議ではないのです。
ですので、セキセイインコが人間のマネをしたい思ってくれたなら、いつかお喋りを始めます。
お喋りを教えるのはいつからがベスト?
まだ羽根も生え揃っていないうちは、教えても覚える余裕がまだないかもしれません。
生後2ヶ月を過ぎた頃から、本格的に話しかけて言葉を教えましょう!
早いうちからインコと触れ合っておけばおくほど、おしゃべりもスムーズに覚えるでしょう。
ヒナのときから育てていると、飼い主に必ず懐きます。
飼い主の顔を見つめてきたり、周りのものを眺めて観察するような「好奇心」が芽生えてきたら2ヶ月とは言わず教え始めてもいいと思います。
会話の教え方4ステップ
信頼関係を築く
手乗りインコは、お喋りインコになる可能性は高いです。
手に乗るということは、コミュニケーションが取れている関係ということですから、インコの飼い主に対する気持ちも相当のものがあります。
「ご主人は、ワタシに何を言ってるんだろう?同じ声を出したら喜ぶかな?」と思いながら飼い主の顔を見ています。
反対に言えば、荒鳥(懐いていないインコ)がお喋りする可能性は、手乗りインコと比較すると低いでしょう。
しかし、「飼ってから何年か経った荒鳥がいきなり喋った!」という事実もあることから、可能性はゼロではありません。
わが家の荒鳥は、話しかけるとクチバシを「パクパクパク!」とやります。
「ももたろう」の話をしてあげると、目をパチパチして首を傾げ、私の顔を見て聴いてくれます(と、信じています!!!)。
(面白いのは”はい、おしまい”というと同時に、毛づくろいなど他の行動をし始めます。)
根気よく同じ言葉を繰り返して教える
手に乗ったり、肩に止まる「手乗りインコ」は、飼い主を観察するのが好きです。
観察しながら飼い主の言葉を聞いています。
「アッ!また”オハヨー”って言ってる!」と気が付いたら、「オハヨー」に興味を持ちます。
インコに語りかけていると、飼い主の口元をジーっと見たり口元に噛み付いてきたりすることがあります。
こういう行動を始めたら、インコが言葉に興味を持った証拠です。
「オハヨー」を何度も繰り返して聞かせ続けましょう。
口元に噛み付く時は「もう一回言って!もっと”オハヨー”を続けて!」と言っているのです。
このチャンスをムダにしないようにしてください。
練習を邪魔しない
インコがケージに居るとき、ブツブツ・・・と囁いていることがあります。
独り言を言う時間なのです。
お喋りをしないインコでも、この独り言時間は必ずあります。
外で遊んだ後や、寝る前などの「リラックスタイム」に独り言を言うことが多いです。
このような時にひそかに1人で「言葉の練習」をすることがあります。
飼い主にお披露目してくれるまで、急かさず見守りましょう。
褒める・喜ぶ
教え続けた言葉に近い発音が聴こえてきたら、褒めましょう!
インコは人間の「喜ぶ姿」を見ています。
「すごいねー」と淡々と褒めるのではなく、大げさに「やったー!すごいね!えらいね!」など、表情豊かに褒めてあげましょう。
好きなオヤツを与えたりすることで、インコにとってはご褒美になります。
「ワタシが”オハヨー”って鳴いたら、ご主人が喜ぶし、オヤツがもらえる」と理解してくれればどんどん言葉を覚えようとします。
どうしても話してくれない場合は
先にもお話したように、インコのお喋りには「インコ本人の気持ち」が大切です。
インコにも性格がありますから、喋ることに興味がない子は居て当然だと考えましょう。
その子は「話し上手」ではなくて「聞き上手な子」なのかも知れません。
非常にシャイな性格の持ち主かもしれません。
「この子は喋らない子だから」と言って、話しかけることを一切やめてしまったり、ひどい場合は「わざと外に逃がす」飼い主さんがいますが、それは間違いです。
話しかけると逃げたり、パニックを起すような子を除いては、コミュニケーションをとるためにも話しかけ続けてください。
まとめ
- セキセイインコは「お喋りしやすい舌の形」を持っている!
- セキセイインコが喋るには「インコの気持ち」にかかっている!
- セキセイインコに言葉を教えるのは、だいたい生後2ヶ月あたりから!
- セキセイインコに言葉を教えるステップ①「信頼関係を築く」
- セキセイインコに言葉を教えるステップ②「繰り返して教える」
- セキセイインコに言葉を教えるステップ③「練習の邪魔をしない」
- セキセイインコに言葉を教えるステップ③「成功したら褒める」
- どうしても喋らない、個性を持ったセキセイインコもいる!
ペットショップの方から聞いた「悲しいお話」です。
インコの飼い主が「インコを返品」してくることがあるそうです。
「このインコ、喋らないから欠陥品だ」と言って飼っていたインコを「返品」に持ってくるのだとか。
「頭が悪いインコを押し付けられた。」
「”きちんと喋るインコ”と交換してください。」
など、信じられないようなことを言ってくる人が、本当にいるのだそうです。
数ヶ月前に1羽のインコを飼った人が、再びインコを飼いに店に来たので、「やっぱり1羽じゃ寂しそうですか?」と、もう1羽飼うのかな?と思ったスタッフの方が声をかけたら「あの子、手に乗ってこないから逃がして”あげた”。」と答えたそうです。
(幼鳥のまま真冬の寒空の下に捨てた、ということです。)
この記事を読んで下さっているみなさま、どうかこのような悲劇を生まないように
「インコは必ずお喋りをするわけではないよ。」
「飼い主に対して愛情を感じなければ、お喋りはしてくれないよ。」
「お喋りしないから可愛くないと思うなら、飼う資格はないよ。」
と、これからインコを飼おうとする人に、教えてあげてください。
インコを愛する1人の飼い主として、この場を借りて心からお願いいたします。
これからインコを飼おうとしている人にも、お願いします。
インコは愛情深い、優しい動物です。
お世話をしてくれる飼い主のことをちゃんと見ている、とても頭がいい生き物です。
お喋りしないのは、記事にも書きましたが「その子の個性」です。
お喋りしないインコでも、可愛がってあげてください。