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知識・教養

表す・現す・著すの違い・意味と使い分けを例文付きで解説

表す 現す 著す
表す 現す 著す

「表す・現す・著す」は、それぞれなにかを示すということだろう、とわかります。

でも、細かな意味の違いまでは、解りにくいですね。

いろんな角度から、意味と使い方の違いに迫ってみましょう。

言葉の意味の違いを理解するために、まずは熟語で比べてみましょう

・表す
表面・表情・表紙・表札

これらは日頃からよく見る言葉です。

誰にでも、はっきりとわかる状態を示していますね。

・現す
現代・現実・現金・現場

これも、よく見る熟語です。

「今そこにあるもの、場所、時間」という意味が強いようです。

・著す
著者・著作・著述

私たちの生活の中であまり遣う言葉ではありませんが、耳にすることはありますよね。

漢字の成り立ちから、意味をおさえてみましょう

こうしてグループ分けしてみると、「著す」が、なにか特別な言葉だと思えます。

もっと詳しく知るために、それぞれの漢字の成り立ちを見てみましょう。

「表」の成り立ち

着るものの襟の部分を示している、といわれます。

上の部分は襟の重なりと、そこから出た首を、下の分部は「衣」です。

つまり体を覆うもの、下にあるものをカバーするもの、という意味を持つようです。

「表面」は、まさに、この意味の熟語ですね。

ですから、心の中や、奥にあるものを見せるようにするとき、この漢字は遣われます。

例文)
喜びを、色で表す。
感謝を、言葉で表す。

「現」の成り立ち

漢字のヘンは「王」、そしてツクリは「見る」です。

つまり「なにか大きなものをはっきり見る」、という意味があります。

たとえば「太陽」は古代の人にとって大いなるものです。

日の出は、なにか大きなパワーが「出現」した、と考えられていたでしょう。

例文)
雲の間から、太陽が現れる。
待っていた人が、とうとう現れる。
詐欺師が、やっと正体を現す。

「著」の成り立ち

この漢字は、「草かんむり」と「者」の組み合わせです。

「草を集めて、燃やしているところ」といわれます。

火は、だれの目にもはっきり見えます。

ですから、この「著」には「いちじるしい」、はっきり見える、という意味と読みがあります。

ところで草を「燃やしたら、無くなっちゃうだろう」と思いますか。

実は、「焼いて灰にする」、つまり、別の物を作ることができます。

いろんな材料を集めて、だれにでも分かりやすいひとつのものにまとめる、「著作」、「著書」。

まさに「著す」作業を意味しています。

例文)
研究の成果を、本で著す。

反対語でわかる「表す」と「現す」の意味の違い

さて、まだあやふやなのが、「現」と「表」の違いですね。

なにしろ「表現」なんて熟語もあるのですから、複雑です。

こんな時には、反対語で比べてみましょう。

「表」の反対語

「表」の反対語は「裏」・「奥」

つまり、まだまだ見えないものがある、という状態です。

裏の反対側が「表」、奥が前に出ると「表」になります。

でも「裏と表」は、同じではありません。

奥では泣いていても、「表」では笑っているかもしれません。

「顔で笑って心で泣いて」は、まさにこのことです。

さらに「表面上は平気な顔している」という言い回しは、「奥では何を考えているかわからない」ということですよね。

「表層」という熟語が示すように、「上っ面だけ」という意味もあります。

いくら「謝罪表明」しても、ほんとに反省しているかどうかは、誰にもわかりません。

「表した」からといって、本心かどうかはわからないのです。

「現」の反対語

「現」の反対語は「夢」・「幻」

この漢字は、古語で「うつつ」と読みます。

「うつつを抜かす」という言葉がありますが、「現実」を忘れて夢の世界へいくことが「うつつを抜かす」です。

「現」とは、いま、まさにある現実、真実ということですね。

「とうとう正体を現したな」という言いかたは、ぴったりですよね。

うわべだけではわからない本当の姿が見えた、ということです。

表すと現すの違い

このように「表」と「現」の意味の違いは、反対語を比べるとかなり見えてきますね。

さらに、この二つの使い方の比較をしてみましょう。

・突然、熊が現れる。
→思いもかけないものが目の前にやってきた状態。

・熊がいることを、絵で表す。
→自分の見たものや思いを、伝えようとしている状態。

これで、かなり違いが見えてきました。

まとめ

漢字は、もともと意味を表す文字ですから、「表す」「現す」「著す」、それぞれの漢字の持つ意味がしっかりわかると、遣いわけることが、できるようになりますね。

とくに「著す」は、特別な作業をした成果だとわかります。

それでも「表す」と「現す」の違いは、なかなか難しいものがありますね。

実際のものを目の前に出すと「現す」。
奥にあるものをなにかの形で示すと「表す」。

ということは、「現す」は「出現」に、「表す」は「表示」という熟語に置き換えてもいいですね。

・主人公が姿を現した=主人公が出現した

・悲しみを表す=悲しみを表示する

こんなふうに、いろんな方向から考えてみるのも、面白いのではないでしょうか。