「悲しい」と「哀しい」と「愛しい」。
これ、ぜんぶ「かなしい」って読むってご存知でしたか?
しかもこの3つ、どれも微妙に意味が違うのです。
気持ちを上手に、そして美しく表現するために、この3つの正しい意味と使い方を調べてみました。
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悲しいの意味・使い方
悲しいの意味は「(自分の身の上が)つらくて泣きたくなるような気持ち」だそうです。
「悲」という漢字をよく見てみると、「非」と「心」に分けることができることがわかります。
「非」は、左右に別れる、という意味で、「心が引きちぎられて、いたみかなしむ」という意味を表すそうです。
ちなみに、常用漢字として新聞や公的な文章に用いられるのは「悲しい」の方だそうです。
例:子に先立たれることほど、悲しいことはない。
哀しいの意味・使い方
哀しいは「(他人の身の上が)あわれでかわいそうだと思う気持ち」を表すそうです。
確かに「あわれ」は「哀れ」と書きますものね。
なお、「哀」という漢字は「口」と「衣」に分けることができます。
「衣」は、まとうの意味を持ち、同情の声を寄せ合う様から、かなしむ・あわれむの意味を表わすそうです。
また、思いを胸の中におさえ衣で口を隠してむせぶことを表している、という説もあります。
例:急逝した友人の家族のことを思うと、とても哀しい。
愛しいの意味・使い方
愛しいの意味は「(愛する人のことが)たまらなくかわいいと思う気持ち」だそうです。
「悲しい」「哀しい」とはちょっと違った感じですね。
古典や詩的な表現ではよく出てくるようですが、日常会話で使われることはほとんどないといっていいでしょう。
悲しい・哀しい・愛しいの違いは?
悲しいは、自分のことがかなしい時に使います。
一方で、哀しいは他人のことがかなしい時に使います。
愛しいは、全く別の意味で、愛する人のことがいとしい時に使います。
しいて言うならば、「失ったらかなしくなってしまうほど、いとしい」という感じでしょうか。
まとめ
- 悲しいの対象は、自分自身
- 哀しいの対象は、他人
- 愛しいの対象は、恋人や子供などいとしい相手
「悲しい」と「哀しい」に関しては、新聞や公的な文章に用いられている「悲しい」を使えば大丈夫です。
でも、この3つを正しく使い分けることができると、「おっ、やるな!」と評価が上がるかもしれませんよ。