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知識・教養

「役不足」の本当の意味について紹介

「役不足」と聞いてどんな印象を受けますか?
「不足」と言う言葉から、マイナスなイメージはないでしょうか?
一体何が「不足」しているのか、本当の意味や使い方について調べてみました。

「役不足」の意味。「役不足」≠「力不足」。

その人の力量に比べて、役目が軽すぎること。
誤って、力不足の意に用いることがある。
(広辞苑 第7版より)
※「力不足」=与えられた職務・役割を果たす力が足りないこと。

「役不足」とは、その人にとって、与えられた役割、役目が軽いことを意味しています。
つまり、決してマイナスな意味ではなく、むしろ評価されていると捉えることの出来る言葉なのです。

ただ、広辞苑にも誤りと載っているくらい、「役不足」は「自分に力がない(=力不足)」と言う意味だと思っている人も多い為、使う時には注意が必要です。

例えば、「君には役不足だよ」と上司から言われた場合、
正しい意味で理解している人は、自分の能力が認められている、評価されていると感じる一方、
誤った意味で理解している人は、自分の能力ではこの役割は果たせないと思われていると感じてしまいます。

データでみる「役不足」

どのくらいの人が誤った意味で理解しているか、文化庁が平成14年平成18年平成24年に行った「国語に関する世論調査」のデータで見てみます。
調査では、「彼には役不足の仕事だ」という例文を挙げて「役不足」の意味を尋ねています。

全体

回答 平成24年度(%) 平成18年度(%) 平成14年度(%)
①本人の力量に対して役目が重すぎること 51.0 50.3 62.8
②本人の力量に対して役目が軽すぎること 41.6 40.3 27.6
①と②の両方 2.5 2.9 2.8
①と②とは全く別の意味 1.6 0.3 1.8
分からない 3.4 6.2 5.0


誤った意味である①を選んだ人が本来の意味である②を選んだ人を上回っていますが、平成14年、平成18年、平成24年と回を追うごとに本来の意味である②を選んだ人が増えています。
とは言え、まだ半数近くの方が誤った意味の①を選択しているので、やはり使い方には注意が必要ですね。

年代別

次に、年代別で見ていきます。

平成24年の調査では、殆どの年代で誤った意味である①を選んでいる人が多いですが、40代より若い世代は本来の意味である②との差が縮まっています。
10年前の平成14年の調査では、全年代で誤った意味である①を選んでいる人が本来の意味である②を選んでいる人が大きく上回っていることからも、現在では本来の意味が浸透してきているのがわかります。

ちなみに

由来は?

実は広辞苑には先ほどご紹介した意味以外に以下のような意味も載っています。

俳優などが、自分に割り当てられた役に対して不満を抱くこと。
(広辞苑 第7版より)

これは「役不足」の由来にもなった意味で、役者が与えられた「役」が自分の実力に対して軽すぎる(「不足」している)と感じたことから、「役不足」と言う言葉が出来たと言われています。

言い換えるとしたら?

「役不足」を誤った意味で理解している人の誤解を防ぐ為にも、言い換えられる表現を覚えておくのもいいかもしれません。
(各言葉の意味は全て「広辞苑 第7版」より引用しています。)

朝飯前

(朝食をたべる前にできることから)容易なこと。

物事が簡単に片づけられることを意味するこの言葉なら、
「この仕事は私にとって朝飯前です。」
などと言い換えられますね。

物足りない

何となく満足ができない。

何かが足りないことを意味するこの言葉も、与えられた作業や役割が実力より軽いものだった場合、
「彼はこの仕事に物足りなさを感じるだろう。」
などと表現することが可能です。

不十分

十分でないこと。足りないところのあること。

こちらも「物足りない」同様、何かが足りないことを意味する言葉なので、
「彼の力を活かすには、この仕事では不十分です。」
など、実力に対して内容が軽いことを表せます。

まとめ

  • 「役不足」はその人の力量に比べて、役目が軽すぎること。
  • その人の力量が不足しているという意味ではない。

今回は、「役不足」の意味についてご紹介しました。