
みなさんは「日本」を「にほん」と読みますか?
それとも「にっぽん」と読みますか?
どちらとも読めてしまうので、迷ってしまいますよね。
そこで今回は「にほん」と「にっぽん」の使い分けや、正式な違いについて調べてみました。
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にほんとにっぽんの違い
「日本」という国号が成立した時期に関しては諸説ありますが、7世紀半ばから8世紀にかけて、「日本」という国号が成立したと考える専門家が多いそうです。
ではこの時の読み方は何だったのでしょうか?
これについても諸説あるのですが、奈良時代には「にぽん(nitpon)」と読んでいたとする説があります(にっぽんという説もあり)。
これが室町時代になると「にふぉん(nifon)」となり、江戸時代には「にほん(nihon)」になったと言われています。
ちなみに、室町時代に来日した宣教師が使っていた本には「Nippon」と「Nifon」の表記があるそうです。
その頃にはすでに2つの読み方が混在していたんですね。
なお、過去「にっぽん」に決まりかけた事はあったようです。
昭和9(1934)年に、当時の文部省臨時国語調査会が呼称統一案として「ニッポン」にする事を決議したのですが、政府で採択されず、正式な決定がないまま現在に至っているそうです。
最近では、2009年に民主党の議員が提出した「日本国号に関する質問主意書」に書かれた「日本」の読み方を統一する意向はあるのかという質問に対して、政府は「『ニッポン』『ニホン』という読み方についてはいずれも広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はない」と回答したそうです。
政府として公式に初めて「どちらでもいい」と決めたと言われています。
つまり、「にほん」も「にっぽん」も違いはなく、どっちでもいいという事になります。
NHKはどう使い分けている?
NHKでは、昭和9年に「正式な国号として使う場合は、『ニッポン』。そのほかの場合には『ニホン』と言ってもよい」という方針を決定しているそうです。
例えば『日本海』や『日本橋(東京)』は『にほん』ですが、『日本放送協会』や『日本橋(大阪)』は『にっぽん』となります。
そのほか『日本一』についてはどちらでもOKで、『日本アルプス』は『(1)にほん(2)にっぽん』と順位をつけているそうです。
NHKも、両方使っているんですね。
会社名はどちらが多い?
会社名に「日本」が入っている場合「にほん」と読む事が多いといわれていますが、「日本」の後にカタカナや外国語がくる場合は「にっぽん」と読むケースが多いようです。
テレビ局などは、読み方がわからないと放送前に該当企業に電話で確認する事もあるそうです。
まとめ
「にほん」も「にっぽん」も、「日本」をあらわす事に違いはなく、政府ですら「どちらでもいい」と言っています。
企業名に「日本」が入っている場合は確認するほうが無難ですが、日常会話では響きやニュアンスでどちらを使っても大丈夫という事になるでしょう。