「見捨てる」「見放す」「見限る」「見切る」。
音も意味も似ていますが、使い分け出来ていますか?
スーパーなどで見かける「見切り品」はなぜ「見切る」が使われているのでしょうか?
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「見捨てる(見棄てる)」の意味
①(助けが必要なものを)見たにもかかわらず、ほうっておく。
②(関わりを欲している相手との)関係を絶つ。(利がないと判断して)援助や奉仕をやめる。見はなす。
(広辞苑 第7版より)
「見限る」の意味
見込みがないと考えてあきらめる。見切りをつける。
(広辞苑 第7版より)
「見放す」の意味
(力のあるものが)見切りをつけ、助力をやめる。見捨てる。見限る。
(広辞苑 第7版より)
「見切る」の意味
①最後まで見る。全部見る。
②様子を見とどける。状態を見きわめる。
③見込みがないと見定める。見切りをつける。見かぎる。
④商品の売行きを見限って安く売る。
(広辞苑 第7版より)
結局違いって?
「見捨てる」と「見放す」と「見限る」
「見捨てる」、「見放す」、「見限る」はどれも相手との関係を断つ、助けを求めている相手に対して助力をやめると言う意味がある点では同じです。
- 「見捨てる」は相手が不利な状況、助けが必要な状況なのに放っておく
- 「見限る」は将来のことを考えてこれ以上見込みがない、自分にとって利がないと判断し、関係を断つ
- 「見放す」はよく考えたが、これ以上はだめだと諦め、相手との関係を断つ
と言うニュアンスをそれぞれ含んでいます。
「見切る」
他の3つと同じように相手との関係を断つと言う意味がありますが、「見切る」はより状況を把握する・見極めると言うニュアンスを含んでいます。
また、「関係を断つ」の他にも意味があるのが特徴です。
「切る」の意味である「物事を最後までやる。」や「物事を限定する。」から、「見切る」には、
- 最後まで見る。全部見る。
- 様子を見とどける。状態を見きわめる。
と言う意味があります。
冒頭の質問:「見切り品」はなぜ「見切る」が使われている?
「状態を見極められ、将来性が見込まれない商品」だから「見切り品」と言う訳ですね。
まとめ
- 「見捨てる」「見限る」「見放す」「見切る」はどれも「相手との関係を断つ」と言う意味を持つ。
- それぞれ、含んでいるニュアンスが少しずつ違う。
- 「見切る」には「相手との関係を断つ」以外にも意味がある。
今回は「見捨てる」「見限る」「見放す」「見切る」の意味や違いをご紹介しました。