大きな声で歌う。
みんなで歌う。
学校の音楽の時間などでは、「歌う」という漢字を使っていましたね。
「うたう」には、他にも「唄う」「謡う」「謳う」など、沢山の漢字があります。
ここでは、それぞれの「うたう」の意味の違いや使い分けについて、調べてみました。
▼目次(クリックで見出しへジャンプ)
歌うの意味・使い方
歌うとは、音楽的な高低やリズムをつけて発声することです。
いろいろな「うたう」がありますが、常用漢字に含まれているのはこの「歌う」だけです。
そのため、最もよく使われていています。
例)有名な歌手がオペラのソロパートを歌ってくれた。
例)カラオケは、いつもボカロを歌うよ。
例)どこかで小鳥が歌っている。
歌う楽曲のジャンルや伴奏の有無を問わず、鳥など人間以外にも使うことができます。
ちなみに、百人一首などの和歌にも「歌」という漢字が使われていますが、和歌は「歌う」ではなく「詠む(作る)」といいます。
唄うの意味・使い方
唄うとは、音楽的な高低やリズムをつけて発声することです。
言葉の意味では、「唄う」は「歌う」と変わりません。
ただし、「唄う」楽曲は、日本に昔からある長唄や小唄などの場合が多いです。
「唄う」を使うことで日本情緒を感じさせたり、古めかしい雰囲気を与える効果があります。
例)「故郷」を唄うと、昔の仲間を思い出します。
謡うの意味・使い方
謡うとは、音楽的な高低やリズムをつけて発声することです。
「歌う」や「唄う」と同じ意味ですね。
「謡う」対象は、日本古来の楽曲である、特に謡曲など文学的なものになります。
「唄う」に出てきた長唄や小唄は、大衆向けの音楽になるのでより身近な印象を与えます。
例)謡曲は能の詞章や脚本のことで、独特の抑揚をつけて謡います。
謳うの意味・使い方
謳うとは、多くの人が褒め称えること。
また、効能などを盛んに言い立てることです。
謳うには、楽曲に合わせて歌うという意味はありません。
例)サプリメントの効能を謳った文書が掲載されている。
歌う・唄う・謡う・謳うの違いは?
歌う、唄う、謡うは、言葉の意味は同じですが、対象になる楽曲や与える印象に違いがあります。
一般的には「歌う」を使い、特定の楽曲や雰囲気を重視したい場合に、「唄う」や「謡う」を使いましょう。
謳うは、他の「うたう」とは違う意味ですので、しっかり使い分けましょう。
まとめ
- 歌う、唄う、謡うは音楽的な高低やリズムをつけて発声すること。
- 歌うはジャンルを問わず、いろいろな楽曲に用いる。
- 唄うは日本古来の大衆的な楽曲に用いる。
- 謡うは日本古来の文学的な楽曲に用いる。
- 謳うは多くの人が褒め称えること、効能などを盛んに言い立てること。
同じような漢字でも、与える印象が変わったり、意味そのものが全く違ったりするのですね。
特に「謳う」には気をつけて、区別して使いましょう。