秋の夜空に輝く十五夜の月。
日本ではこの時期に「お月見」という風習がありますが、一部の地域では「お月見どろぼう」というユニークな行事も行われています。
最近では「日本版ハロウィン」とも呼ばれることがあり、子どもたちに人気のイベントです。
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「お月見どろぼう」とは
「お月見どろぼう」は、子どもたちが地域の家を回り、お菓子や団子をもらう風習です。
夜、十五夜の月を見ながら行われることが多く、地域ごとに少しずつルールややり方が異なります。
2025年の十五夜(中秋の名月)は、10月6日(月)です。
この日は旧暦8月15日にあたります。
十五夜は、秋の美しい月を眺めながら、収穫に感謝する日本の伝統行事です。
月見団子やススキをお供えし、家族や地域の人々とともに月を楽しむ習慣があります。
また、十五夜の翌日である10月7日(火)は、満月となる予定です。
そのため、月の美しさを堪能する絶好の機会となります。
由来と背景
「お月見どろぼう」は、もともと日本各地の農村部で行われていた伝統的な風習で、特に中部地方や東北地方の一部地域で盛んに行われていました。
この行事は、収穫祭や月見団子のおすそ分けから始まったとされています。
- 月見団子を家の前に供えた際に、子どもたちがそれを「盗む」ことで、豊作を祈願する。
- 「子どもは月からの使い」とされ、月の恵みを分けてもらう。
などの意味合いがあります。
お月見どろぼうを通して、昔から日本人が自然や収穫に感謝する心を子どもたちに伝えてきました。
現在も残る「お月見どろぼう」
少子化や防犯面の影響で、地域での開催が減少してきています。
一方で、自治体や地域イベントとして復活する例もあり、伝統文化として注目される動きがあります。
子どもと地域の交流の場として、東海地方を中心に、今もお月見どろぼうを続けている地域があります。
今もなお大切にされている行事です。
現在もお月見どろぼうが行われていると確認出来た地域は:
- 愛知県(日進市・名古屋市名東区)
- 三重県(四日市市・桑名市)
- 福島県(いわき市)
- 静岡県(静岡市葵区)
地域によって少しずつやり方は異なりますが、
子どもたちが「お月見ください!」「お月見どろぼうです!」「お月見ちょうだい!」などの掛け声と共に、玄関先にお菓子やお供えが用意してある家々を回ります。
子どもたちは、置いてあるものを自由にもらうか、声をかけて手渡してもらいます。
主に地域の人との交流が目的です。
地域文化としての意義
お月見どろぼうは、単にお菓子をもらうイベントではありません。
子どもが地域の大人たちに温かく迎えられる体験を通じて、自然と共にある暮らしや収穫を分かち合う心、地域の結びつきの大切さを学ぶことができます。
ハロウィンとの比較
お月見どろぼうは、最近「日本版ハロウィン」とも呼ばれることがあります。
ハロウィンは元々、古代ケルト人の収穫祭と、キリスト教の「万聖節前夜(All Hallows’ Eve)」が結びついた行事です。
子どもたちは仮装して家を回り、「Trick or Treat!(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ)」と声をかけ、お菓子をもらいます。
近年では、日本でも商業イベントとして定着し、仮装やパーティーとして楽しむ人が増えています。
一方、お月見どろぼうは仮装の習慣はなく、十五夜に子どもたちが家を回ってお菓子や団子をもらう伝統行事です。
掛け声やルールも地域によって異なりますが、基本的には「地域の人と子どもが交流する」ことが目的です。
似ている点
- 子どもがお菓子をもらう習慣がある
- 地域の人との交流を深める場となる
- 子どもが楽しみながら参加できるワクワク感がある
違う点
| お月見どろぼう | ハロウィン | |
|---|---|---|
| 行事の起源 | 日本の収穫祭や月見団子のおすそ分けに由来 | 古代ケルト人の収穫祭とキリスト教行事が融合したもの |
| 季節 | 十五夜(中秋の名月) | 10月31日(秋の収穫期の終わり) |
| 仮装の有無 | 仮装は基本的に不要 | 仮装が中心的な要素 |
| 掛け声 | 「お月見ください!」「お月見どろぼうです!」「お月見ちょうだい!」など | Trick or Treat! (トリック・オア・トリート! / お菓子をくれなきゃいたずらするぞ) |
| 文化的意味合い | 自然への感謝と地域のつながりを重んじる行事 | 宗教的・霊的な意味合いがあり、現代では楽しむことが中心 |
このように、表面的には「子どもがお菓子をもらう」という点で似ている二つの行事ですが、背景や目的、楽しみ方には大きな違いがあります。
お月見どろぼうは、日本の秋の風物詩として、地域の文化や人とのつながりを大切にした行事なのです。
「お月見どろぼう」に参加するときのマナーや注意点
- 子どもがお菓子をもらうときは「ありがとう」を忘れない
- 家庭側は準備する量を無理のない範囲で用意する
- 夜道の安全確保 (大人の付き添いや反射材)
- 地域のルールや取り決めを守る
「お月見どろぼう」の楽しみ方アイデア
- 家庭で団子を手作りして配る
- 子どもと一緒に月を眺める「観月会」と組み合わせる
- 地域に参加できない場合は家庭内でお菓子交換を楽しむ
- SNSで写真や体験を発信して、文化を広める
まとめ
お月見どろぼうは、ハロウィンに似ている部分もありますが、背景には日本独自の自然観や地域のつながりがあります。
伝統文化としての価値を知り、子どもたちに体験させながら、地域の絆を育む行事として受け継いでいきたいものです。