突然ですが、「雨模様」なんと読みますか?
あまもよう?あめもよう?どちらが正しいのでしょうか?
実は、どちらも正解。
辞書にはどちらの読み方も載っていて、「あまもよう」が先にあった読み方のようです。
では、「雨模様」とはどういう天気でしょうか?
雨が降りそうな様子?雨が既に降ってる様子?
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「雨模様」の意味
広辞苑(第七版 岩波出版)によると「雨模様」の意味は、
雨の降りそうな空の様子。あまもよい。
だそうです。
つまり、雨はまだ降っておらず、これから降ってきそうな天気のことを指しますね。
「雨模様」についての「国語に関する世論調査」
平成15年、平成22年に文化庁が実施した「国語に関する世論調査」で、「雨模様」の意味についてのアンケートを実施しています。
回答 | 平成22年度(%) | 平成15年度(%) |
①雨が降りそうな様子 | 43.3 | 38.0 |
②小雨が降ったりやんだりしている様子 | 47.5 | 45.2 |
①と②の両方 | 4.8 | 9.4 |
①と②とは全く別の意味 | 3.2 | 6.3 |
わからない | 1.2 | 1.1 |
平成15年、22年共に、「②小雨が降ったりやんだりしている様子」が本来の意味である「①雨が降りそうな様子」を上回っているのがわかります。
次に年代別のグラフを見てみます。
よくある傾向として、年代が下がるに連れて、本来の意味を選ぶ人が少なくなっていくのですが、「雨模様」に関しては、20代以下と60歳以上では本来の意味である「①雨が降りそうな様子」が「②小雨が降ったりやんだりしている様子」を上回っており、30代~50代は逆転すると言う面白い結果になっています。
とは言え、全体的には「②小雨が降ったりやんだりしている様子」を選ぶ人が多いと言うことは、一般的な意味になりつつあるのかもしれません。それを裏付けるものとして、明鏡国語辞典では、
今にも雨が降り出しそうな空の様子
他の地の雨天を推測して言う語
〔最近の言い方で〕小雨が降ったりやんだりすること
と、「最近の言い方で」と断ったうえで、「小雨が降ったりやんだりすること」と言う意味が追加されているようです。
「雨模様」の類語
「雨模様」を言い換えるとどんな言い回しがあるでしょう。
- ぐずついた天気
- どんよりとした空模様
- 怪しい天気
- 暗雲が漂う
- 雲行きが怪しい
天気予報で聞いたことがあるフレーズもありますね。
ちなみに
あまもよい?
雨模様の意味にある「あまもよい」とはなんでしょう?
広辞苑で調べてみたところ、
今にも雨の降りだしそうな空のけしき。雨模様。
とありました。
漢字で書くと「雨催い」。意味は雨模様と同じですね。また、「あめもよい」と言う読み方もします。
「催す」には「物事が起ころうとする兆候を見せる。」と言う意味もあり、「雨が降りそうな」と言う意味に繋がります。
「雨催い」が転じて「雨模様」になったと言われています。
英語では?
「雨模様」を英語で表すとどんな言葉になるでしょうか。
いくつか例を挙げてみます。
- threatening sky
- signs of rain
- It looks like rain.
- It is threatening to rain.
英単語1つで「雨模様」を表すものはないため、フレーズや文で表します。
似た言葉は?
「雨模様」に似た言葉がないか探してみました。
①空模様(そらもよう)
天気のようす。そらのぐあい。予想される天候。
②雪模様(ゆきもよう)
雪が降りだしそうな空合い。
ちなみに、「雪催い(ゆきもよい)」も存在していました。
まとめ
- 「雨模様」とは、雨の降りそうな空の様子のこと。
- 「小雨が降ったりやんだりしている様子」だと思っている人が多く、一般的になりつつあることから、「小雨が降ったりやんだりすること」が意味として追加されている辞書もある。
今回は「雨模様」の意味についてご紹介しました。