漢字は似ているけれど、意味や使い方に違いがある言葉――
今回はその中でも混同しがちな「形体(けいたい)」と「形態(けいたい)」について解説します。
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「形体」とは?
意味
かたち。すがた。ようす。
広辞苑(岩波書店 第7版)より
物の形や姿。外見上の形。
「形体」は、目に見える物理的な形や姿を指します。
形そのものに注目する語で、視覚的・感覚的に捉えられるものに使われることが多いです。
例文
- 古墳の形体は前方後円墳である。
- 恐竜の形体を復元するために、化石の骨格をもとに3Dモデルが作られた。
- 彫刻作品の形体は、見る角度によって印象が大きく変わる。
日常会話ではあまり用いられず、学術的・技術的な文脈で目にすることが多い言葉です。
「形態」とは?
意味
ありさま。かたちに現れた姿。形式。
広辞苑(岩波書店 第7版)より
物や事の形・あり方・構造。抽象的な概念を含む「形」。
「形態」は、物事の構造や形式、仕組みなど、外形を含みつつその性質や機能を含んだ形を表します。
目に見えない構造や制度にも使われます。
例文
- 家族の形態は時代とともに変化してきた。
- 動物の生活形態は生息環境によってさまざまだ。
- 組織の形態を見直し、よりフラットな構造にする方針だ。
使い分けのポイント
「形体」と「形態」はどちらも“かたち”に関わる言葉ですが、何に注目しているかで使い分けができます。
- 「形体」:目で見える物理的なかたち
- 「形態」:あり方や形式を含むかたち
「形体」は、“目に見える形や姿”を表したいとき
物の輪郭、外見、具体的な形状そのものを表す言葉で、視覚的・物理的に確認できるかたちに向いています。
ただし、日常ではあまり使われず、専門的な場面や文語的な表現にとどまることが多いです。
例:彫刻の形体、生物の形体、遺跡の形体
「形態」は、“あり方・構造・形式”を表したいとき
外形だけでなく、その中身や仕組みも含めた「かたち」に焦点を当てる言葉です。
制度や組織、生き方や生活スタイルなど、抽象的な概念や分類にも広く使われます。
例:組織の形態、生活の形態、教育の形態
「形体」は現代では「形」と言い換えられることが多く、使う場面は限られています。
一方で「形態」はビジネスや学術的な文章でもよく登場する、実用性の高い言葉です。
英語で表すと?
「形体」の英訳
主な訳語:
- form (形、形状)
- figure (形、輪郭、姿)
- shape (外見的なかたち)
解説:
「形体」は目に見える物理的な形や姿を意味するので、form や shape が自然な訳になります。
たとえば、「彫刻の形体」なら form of the sculpture が一般的です。
例文:
- Scientists describe the dinosaur’s form in many books.
→ 科学者たちは多くの本で恐竜の形体を描写している。 - The building’s shape reflects ancient architectural styles.
→ その建物の形体は、古代の建築様式を反映している。
「形態」の英訳
主な訳語:
- form (形式)
- structure (構造)
- type (型・分類)
- mode (様式、やり方)
- configuration (構成)
解説:
「形態」は形式や構造、あり方を含む意味なので、文脈によって英訳が分かれます。
たとえば、同じ「教育の形態」でも、オンライン学習などの教育の形式ならform of education、教育制度などの構造を表すなら structure of education が使われます。
例文:
- The structure of the family has changed over the decades.
→ 家族の形態は、この数十年で変化してきた。 - Online learning is a new form of education.
→ オンライン学習は、新しい教育の形態である。 - Different types of life forms exist in extreme environments.
→ 過酷な環境には、さまざまな形態の生命体が存在する。
まとめ
「形体」と「形態」は、どちらも“かたち”に関わる言葉ですが、具体と抽象の違いを意識すると使い分けがしやすくなります。
文章を書くときや学術的な文脈で使うときには、意味の違いをしっかり押さえておきたいですね。