「小職(しょうしょく)」や「小生(しょうせい)」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、役職者が自分自身をへりくだって呼ぶ時に使う言葉です。
それぞれどんな時に、どんな人が使えるのでしょうか?
今回は、「小職」の使い方や、「小職」以外に自分をへりくだる言い方に使える言葉などを紹介します。
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「小職」の意味
官職についている人の謙称。(広辞苑 第7版より)
※「謙称」=相手に対してへりくだった言い方。
「小職」は、役職者が自分をへりくだって使う言葉です。
読み方は「しょうしょく」と読み、それなりの地位についている、いわゆる偉い人が使います。
そのため、新入社員や平社員などが使うのは誤用となります。
また、役職についていても大した役職ではなかった場合、「小職」という言葉を使うにふさわしくありません。
責任を伴った高い地位である役職に就いたとときに使うのが良いでしょう。
「小職」は性別関係なく使える
「小職」は、性別に関係なく使えます。
高い地位の役職についている方が使用する言葉なので、性別は問いません。
ただし、いくら高い地位の役職だとしても、年齢の若い方が使うと違和感が生じます。
「小職」は年配の役職者が使用している場合が多いためです。
また、位の高い役職をへりくだるということは、つまり自分が偉いと思っているということです。
年齢も経験もともなった、本当に偉い方が使う分には違和感はありません。
しかし、年齢が若い方が小職と使うと「生意気」だと思われるので、使わない方が無難でしょう。
小職は公務員が使う言葉?
広辞苑の意味にもある「官職」とは「国の機関において、公務員が一定の職務と責任をもって占める地位、または各公務員に割り当てられる職務」のことです。
なので、「小職」は本来、ある程度の地位についた公務員が使う言葉になります。
さらに細かくいうと、地方公務員よりも国家公務員が多く使用します。
しかし、最近では民間企業にも普及しつつあるようです。
例:何かありましたら小職までご連絡ください。
例:まだまだ未熟な小職ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
「小職」と「小生」の違いは?
「小生」の意味は?
主に手紙で、男子が自分を指して使う謙称。(広辞苑 第7版より)
※「謙称」=相手に対してへりくだった言い方。
「小職」は女性も使えるが、「小生」は男性が使う言葉
「小職」は女性も使えますが、「小生」は男性が使う言葉です。
「小生」とは、男性が自分をへりくだって使う言葉で、女性は使いせん。
「小職」は話し言葉、「小生」は書き言葉という違いもあります。
「小生」は乱用しない
お客さんや初対面の人などに使用すると、自分と同等か目下に見られていると思われるので、あまり使用しない方がいいでしょう。
また、「小職」と同様に年齢が若い男性が使用すると違和感があります。
そもそもが一般的な言葉ではないため、使わなくてもよい場であれば使わないほうが良いでしょう。
例:小生は子供のころより犬好きでした。
例:小生は変わらず過ごしております。
「小職」以外に自分をへりくだる言い方
「下名(かめい)」
①以下に記した名。
②自分のことをへりくだっていう語。 (広辞苑 第7版より)
「下名」は、性別問わず使用できます。
職業の違いに関係なく、自分をへりくだって使える言い方なので、ビジネスシーンでも問題なく使用できます。
ただし、使用すると文章が堅苦しくなってしまうので、なんでもかんでも使用するのは避けた方が良いです。
堅い真面目な文章で使用すると違和感がないので、使用する際は文章の雰囲気や内容に合っているか確かめてからにした方がいいでしょう。
「小官(しょうかん)」
①地位の低い官吏。
②官吏の謙称。 (広辞苑 第7版より)
「小官」は、小職と同じく警察官・裁判官・士官などの国家公務員の方が自分をへりくだって使う謙譲語です。
地位の低い官吏のことも意味します。
性別関係なく使用できますが、こちらは民間企業では使用しない言い方です。
「手前(てまえ)」
①(1人称)自分のことをへりくだっていう語。
②(2人称)目下の相手を指す語。そち。汝。 (広辞苑 第7版より)
「手前」は、自分のことを謙遜していう言い方です。
ビジネスの場においては、「手前」単体よりも「手前勝手」や「手前ども」という言葉のほうが多く使われます。
「手前勝手」とは、「無理なお願いだとわかっていますが」や「申し訳ありませんが」といった意味があり、相手にとって難しい要求をするときに使用します。
「手前ども」は、私どもという複数を指した謙譲語です。
まとめ
- 「小職」は役職者が自分をへりくだって使う言葉
- 「小生」は男性が自分をへりくだって使う言葉
ビジネスシーンではメールを送ったりすることも多いと思うので、この記事を読んだことが「小職」などの使い方を正しく理解する助けになっていれば幸いです。