「差す」、「指す」、「刺す」、「挿す」、「止す」。
どれも「さす」と読むこの漢字。では、かんざしを「さす」はどれでしょう?
実は他にも「さす」と読む漢字があることをご存じでしたか?
それぞれの漢字の正しい意味と使い方を調べてみました。
▼目次(クリックで見出しへジャンプ)
差すの意味・使い方
1) 光など、そこになかったものが現れる
例:雲が切れて日が差す。
例:景気に陰りが差す。
例:頰に赤みが差す。
2) 手で物を上の方に上げる/かざす
例:傘を差す。
3) ある物に他の物を加え入れる
例:目薬を差す。
例:花瓶に水を差す。
例:紅を差す。
4) その気分や気持ちが起こってくる
例:魔が差す。
例:嫌気が差す。
5) 競馬で、ゴール間近で先行する馬を追い抜く
例:先行馬を差す。
指すの意味・使い方
1) 指などで目標とする事物や場所・方向などを示す
例:東の方向を指す。
例:時計の針が5時を指す。
例:授業で2回指された。
2) 将棋で、駒を進める / 将棋のゲームをする
例:将棋を指す。
刺すの意味・使い方
1) 尖った物を突き入れる
例:針を刺す。
例:蚊に刺される。
2) 野球で、走者をタッチアウトにする
例:一塁ランナーを牽制球で刺す。
挿すの意味・使い方
1) 細長いものを入れる、挟む
例:家の鍵を挿す
例:花瓶に花を挿す
止すの意味・使い方
1) 中途でやめる / し残す / 中止する
例:本を読み止したまま出掛ける
他の「さす」
射す 「差す」の1)と同義
1) 光が照り入る
例:西日が射す
鎖す 「差す」の3)と同義
1) 戸口・錠・栓などを閉ざししめる
例:戸口にかんぬきを鎖す
注す 「差す」の3)と同義
1) 液体などをそそぎこむ
例:目薬を注す
点す 「差す」の3)と同義
1) いろどりをする / 色をつける
例:口紅を点す
※これらの「さす」は一般的にはあまり使われず、「差す」を使うことがほとんどです。
まとめ
- 差すは、
1) 光など、そこになかったものが現れる
2) 手で物を上の方に上げる/かざす
3) ある物に他の物を加え入れる
4) その気分や気持ちが起こってくる
5) 競馬で、ゴール間近で先行する馬を追い抜く - 指すは、
1) 指などで目標とする事物や場所・方向などを示す
2) 将棋で、駒を進める / 将棋のゲームをする - 刺すは、
1) 尖った物を突き入れる
2) 野球で、走者をタッチアウトにする - 挿すは、
1) 細長いものを入れる、挟む - 止すは、
1) 中途でやめる / し残す / 中止する - 射す、鎖す、注す、点すは、
一般的に「差す」を使う
さて、かんざしを「さす」はどれだったでしょうか。
この場合、「細長いものを入れる」に当たるので、「挿す」を使います。
今回は、いろんな「さす」の意味や使い方についてご紹介しました。