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知識・教養

「重複」の読み方 正しいのは「ちょうふく」「じゅうふく」どっち?違いはあるの?

ちょうふく じゅうふく
ちょうふく じゅうふく

「重複」という漢字、皆さんはどう読みますか?

「ちょうふく」と読む方、「じゅうふく」と読む方、両方いらっしゃると思います。

ちなみに私は普段「ちょうふく」と読んでいます。

しかし他の人が「じゅうふく」と読んでいるのを聞くと、自分の読み方は間違っているのかなと不安になることがあります。

そこで今回は「重複」正しい読み方を調べてみました。

「重複」の読み方・意味

「重複」という漢字を辞書で調べてみると「ちょうふく」「じゅうふく」2つの読み方が載っています。

まず「ちょうふく」のページを見ると「同じ物事が幾度も重なること。かさなりあうこと。じゅうふく。」と書いてあります。

次に「じゅうふく」のページを見てみると「⇒ちょうふく」とかいてありました(つまりは「ちょうふく」と同じということです)。

ここからわかることは、重複は「同じ物事が幾度も重なること。かさなりあうこと。」という1つの意味を持っており、「ちょうふく」「じゅうふく」という2つの読み方を持っているということです。

「ちょうふく」と「じゅうふく」に違いはある?

この結果から考えると、重複の読み方は「ちょうふく」「じゅうふく」共に正しいことになります。

しかし本当に2つの読み方に違いはないのでしょうか?

気になったので、もう少し調べてみました。

「重」という漢字は、もともと「ちょう」と「じゅう」という2つの読み方を持っており、熟語によって読みが違っていました。
いくつか例をみてみましょう。

「ちょう」と読む例:
重宝、重用、貴重、軽重、自重

「じゅう」と読む例:
重力、重体、重圧、重心、重病、重大、重役、重圧、重機、重症、重臣、重責、重点、重層、重度、重版、重要、厳重、体重、多重

いつから「じゅうふく」と読まれるようになった?

そして重複はというと、もともと「ちょうふく」と読まれていたようです。

しかし、どのようにして「ちょうふく」と読むべき漢字を「じゅうふく」とも読むようになったのでしょうか?

「重」という漢字は(上の例でみたように)「じゅう」と読むことの方が多いです。

そのため「じゅうふく」と間違って読まれることが多くなり、辞書にも「じゅうふく」が載ることになったようです。

第二次世界大戦以前に出版された代表的な国語辞典である『大日本国語辞典』をみてみると、「ちょうふく」は載っていますが、「じゅうふく」は載っていませんでした。

次に第二次大戦後の代表的国語辞典であり、皆さんもご存知の『広辞苑』をみてみると「じゅうふく」の読みも記載されていました。

このことから第二次大戦後から「じゅうふく」という読み方が一般的になっていったと思われます。

じゅうふくと読んでいる人のほうが多い

そしてなんと2005年に文化庁が行った「国語に関する世論調査」で重複の読み方について統計を取ったところ、「ちょうふく」と読む割合が20%なのに対し、「じゅうふく」は76%と「じゅうふく」と読む人の方が多かったのです。

これだけ「じゅうふく」と読む人が多ければ、辞書に載せないといけないですね。

しかし2014年に大手広告企業であるマイナビがインターネットで行ったアンケートの結果をみると、「ちょうふく」が60%、「じゅうふく」40%となっており、「ちょうふく」が再び逆転していました。

ちなみに公共放送であるNHKや、正しい読み方を求められるアナウンサーはもともとの読み方である「ちょうふく」を用いるそうです。

つまり、もともとの正しい読みは「ちょうふく」ですが、「じゅうふく」も許容されているといえますね。

重複の使い方・例文

重複という漢字の使い方をみておきます。

基本的には「重複する」という動詞として用いられたり、他の単語と組み合わせて「重複◯◯」(◯◯の部分に重なっている物事が入る)と使われます。

例:スピーチの内容が一部前回と重複している。

例:「馬から落馬する」は重複表現だ。

まとめ

今回調べたことをまとめます。

  • 現在、重複の読み方は「ちょうふく」「じゅうふく」のどちらも正しい。
  • ただし、もともとの読みは「ちょうふく」が正しく「じゅうふく」後からできた読み方。

いかがだったでしょうか。

時代を経る中で読み方が変わっていくんですね。

生まれた年代によって読み方に違いがありそうです。

ただ今のところは「ちょうふく」が本来の読みということなので、スピーチで話す時や試験で書く場合は「ちょうふく」を使う方がよいかもしれません。

この記事を書いた人:山下