「服」、「副」、「幅」…「ふく」と読む単漢字はいくつもありますが、一つ一つの漢字の意味や違いを知っていますでしょうか。
「く」を送り仮名とした「ふく」もありますが、それは次の記事でご紹介したいと思います。
今回は、「ふく」と読む単漢字についてご紹介していきます。
いろいろな「ふく」の意味と違い
「服」
①身につけるもの。きもの。
②(和服を着物というのに対して)洋服の略。
③薬・煙草・茶をのむ回数を表す語。
①と②の意味はよく使うものですが、③の意味も頻繁ではないものの耳にすることはあるのではないでしょうか。
例:服を着る
例:一服入れる
ちなみに同じ「服」という漢字でも「ぶく」と読むこともあり、合わせて意味を調べてみました。
①喪服。服衣。
②喪にこもること。またその期間。喪中。忌服。
先に述べた「ふく」の①②の意味もあるようですが、「喪に付す」意味のほうが強いように感じますね。
「副」
①そうこと。主なものに付き添って、その助けとなること。また、そのもの。
②付け加わること。あることのついでに起こること。
③本物の控え。
どの意味も、「主なものに対して付け加わるもの」というのが共通点としてあげられますね。
例:副知事に任命された
例:副産物が出た
学校などでも「副会長」や「副校長」という言葉をよく耳にしていたせいか、とても身近な言葉なのではないでしょうか。
「幅」
①横の長さ。はば。
②掛物。軸物。また、掛物を数える語。
①の意味は、幅が「はば」という読み方があるので、なじみ深い意味のような気がします。
②の意味は掛物などを数える単位のようです。
読み方も「一幅(いっぷく)、二幅(にふく)…」というように変化するようでした。
例:この紙の幅は5㎝だ
例:大掃除で掛け軸が三幅出てきた
筆者も、祖父祖母の家を片付けていたら掛け軸が大量に出てきた記憶があります。(丸めて保管していたため、絵はほとんどボロボロになっていました…)
「復」
①元に戻ること。返ること。返すこと。
②復誦の略。
①も②も「元に戻ること」が共通の意味として挙げられます。
ちなみに、②は「復唱」という漢字のほうが一般的に使われているようです。
例:体育で反復横跳びをした
例:文章を復誦で覚える
学校の授業中で、よく先生が「私の言うことを復唱してください。」と言っていたことを思い出しますね。
「福」
①幸い。幸せ。幸運。
②神仏の賜り物。
①も②も、とても良い意味に感じますね。
めでたい時には福の字を見ることが多い気がします。
例:笑う門には福来る
例:至福の時を過ごしている
福の字を使うだけで幸せなオーラが出てきそうです。
「複」
①重なること。単一でないこと。
②複試合の略。ダブルス。
先に述べた「復」と混同されることが多い漢字ですが、意味が全く違うことがわかります。
①も②も「重なっていること」を表しているようです。
例:糸が複雑に絡み合っている
例:複数の仕事をこなす
他の漢字がついて熟語になっていても、「複」の意味が強く出ていますね。
「輻」
車の轂と輪とを支える木。スポーク。
なかなか見ない漢字ですが、車をいじったりするのが好きな人にはスポークという言葉で伝わるのではないでしょうか。
参考画像として車のホイールを用意しました。
水色の丸が輪の部分、黄色の丸が軸の部分、そしてそれをつないでいるオレンジの部分が「輻」になります。しかし一般的には「や」と読むほうが多いようでした。
まとめ
- 「服」・・・身に着けるものや茶などを飲む単位のこと
- 「副」・・・主なものに対して付け加わるもののこと
- 「幅」・・・横の長さや掛物を数える単位のこと
- 「復」・・・元に戻ること
- 「福」・・・幸せや幸福のこと、神仏の賜り物のこと
- 「複」・・・重なっていること
- 「輻」・・・車の輪と軸を支える木のこと(木以外の材質についてもいう)
「ふく」には様々な単漢字があることがわかりましたが、ご紹介したものはごく一部なので、興味のある方はほかの漢字も調べてみてください!