友人から「4月20日以降は暇になるから、是非遊びに来てね。」というメール受け取りました。
えーっと、「4月20日以降」って、4月20日は含まれるの?
それとも、4月21日からのことなの?
ちょっと悩んでしまいました。
そういえば「以降」によく似た言葉に「以後」や「以来」もありますが、この3つの言葉は、どう違うのでしょうか。
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以来の意味・使い方
「以来」は、「ある時から今までずっと」という意味です。
過去のある時点から現在までの期間を示しています。
将来のことは表しません。
以降の意味・使い方
「以降」は「(その時も含んで)ある時からあと」という意味です。
「平成10年以降」「20日以降」というように、他の言葉を前につけて「○○以降」の形で使われます。
「以来」とは異なって、過去でも未来でも表すことができます。
どちらかといえば、長い時間の経過を表す時に使われます。
例:「来月以降の予定は、未定です。」(未来を示す)
「20日以降」の意味は?
さて、最初に書いた「4月20日以降」に20日は含まれるのか?という件について。
「以降」には、「その時」も含まれています。
「以上」や「以下」に、その数が含まれるのと同じだと考えるとわかりやすいですね。
たとえば「身長170㎝以上」という場合、170㎝を含みます。
それと同じだと思ってください。
つまり、最初に書いた「4月20日以降」には「20日」も含まれるのです。
以後の意味・使い方
「以後」には、2つの意味があります。
1、「(それを含んで)その時からのち」(「以降」と似た使い方)
2、「今からのち」
「以後」と「以降」はどう違うの?
明らかな違いは、まず、上に書いたとおり、「以後」はそれだけで「今からのち」という意味で使われるということです。
「以後、気をつけます。」は、ありえる表現ですが、「以降、気をつけます。」とは言えませんね。
もう一つ、わかりにくいのですが、使い方に、細かな違いがあります。
「以後」は、ある時点にスポットを当てて、それから後を区切っています。
(「卒業式」が最後だったと、「ある時点」に重点を置いている)
「以降」は、ある時点を含めて、それから後の経過全体(継続している状況)を見ています。
(明治維新後の継続にポイントがある)
本当に、微妙な違いですね。
また、「○○番目以降の人」「○○ページ以降」という表現はできますが、「○○番目以後の人」「○○ページ以後」という表現はしっくりこない、という違いもあります。
人が○○番目より後もずっと並んでいる感じ、本が○○ページから後もずっと続いている感じが、「以降」の継続する意味に合っているからなのでしょうか。
まとめ
- 以来は、過去のある時点から現在までを表す。
- 以降は、その時を含めてそのあとずっとという意味。過去にも未来にも使える。
- 以後は、以降と似た意味だが、「以後」だけで「今からのち」という使い方ができる。
- 以後は、ある時に重点を置いてそれより後を示し、以降は、ある時からの経過に重点を置いている。
3つの言葉のうち、「以来」は未来には使えないという点で他の2つとは大きな差がありました。
「以降」と「以後」は、微妙な違いはあるにしても、とてもよく似た言葉です。
日常生活を送る上では、この違いが問題になることは、あまり無いと思います。
ただ、「以後、気をつけなさい」「○○番目以降」のように、どちらか一方を使うべきだという表現には、以後、気をつけたいと思います。