子どもたちの学びの場は、教室だけに限りません。
川崎市では2025年度から、家庭や地域と連携して「学び」と「体験」を両立させる新たな制度が始まりました。
その名も「かわさきホリデー・アンド・スタディ」、通称ホリスタ。
この制度は、「ラーケーション」= “ラーニング(学び)” + “バケーション(休暇)”という考え方をもとに、「教室の外にも学びの場はある」という視点で生まれたものです。
この記事では、ホリスタとはどんな制度なのか、その成り立ちや使い方、活用のポイントまでわかりやすく解説します。
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ホリスタってどんな制度?
「かわさきホリデー・アンド・スタディ(ホリスタ)」は、川崎市立の小中学校・特別支援学校に通う児童生徒を対象に、平日に“学びある体験活動”を行うために休みを取れる制度です。
学校を休んでも、親子で学びのある活動に取り組むことで「欠席扱い」にはならず、出席停止や忌引きと同じ扱いになります。
ホリスタには以下の2種類の休みがあります。
固定利用日
毎年10月のスポーツの日を含む3連休の翌日(火曜日)。
この日は学校閉庁日として一斉に設定され、申請不要。
任意利用日
保護者の判断で年度内に1日(学校指定の除外日あり)、自由に選べる。
事前申請が必要です。
背景にある「かわさき家庭と地域の日」
ホリスタのベースとなっているのが、2018年度に始まった「かわさき家庭と地域の日」です。
これは、家庭・地域での活動を通じて子どもたちの豊かな学びを促すことを目的とした取り組みで、1年に1回、平日(10月のスポーツの日を含む3連休後の火曜日)に学校を休んで地域活動や体験学習ができる制度でした。
この制度が好評だったことから、より柔軟に休暇を取得出来る形として発展したのが「ホリスタ」なのです。
活動内容の例
ホリスタを利用して行える活動は、家庭や地域での保護者との“学びある”体験が前提です。
たとえば…
- 博物館・科学館見学
- 自然体験 (登山・農業体験など)
- 地元企業の工場見学
- 地域ボランティア活動
など、学校の外でも社会や自然と触れ合いながら学ぶことが重視されています。
申請のしかた
固定利用日
学校が休みになるため申請は不要。
任意利用日
事前に学校に申請が必要。
- 活動内容の記載が必要。
- ミマモルメアプリからオンライン申請も可能。
- 利用施設に「ホリスタ」を取得していることの証明書の提示等が必要な場合は、利用日の1週間前までに学校へ利用申請票(川崎市のホームページなどからダウンロード可能)を提出する。
保護者の声と課題
市が実施したアンケートによると、保護者の約8割がホリスタを肯定的に評価。
しかし、
- 「共働で平日に休みを取るのが難しい」
- 「子どもが1人で家にいることがあった」
といった課題も挙げられており、今後は地域施設や企業との連携強化、活動プログラムの提供などが求められています。
他の自治体にも似たような制度がある
川崎市以外にも「ホリスタ」と同じような制度を設けている自治体があります。
取得出来る日数に違いはありますが、いづれも欠席扱いとならず、学校外で体験や探究の学び・活動を保護者と共に行うことを目的とした制度です。
愛知県:ラーケーションの日
- 2023年9月 運用開始。
- 名古屋市を除く53市町内の公立の小学校・中学校・高校および特別支援学校に通う児童生徒が対象。
- 年度内の平日に最大3日(連続取得もOK)取得出来る。
- 全国で初めてラーケーション制度を導入したのが愛知県の為、モデルケースとして注目されている。
大分県別府市:たびスタ
- 2023年9月 運用開始。
- 市立小・中学校の児童生徒が対象。
- たびスタ:「旅」と「スタディー(学習)」
- 年度内の平日に最大5日(連続取得もOK)取得出来る。
栃木県日光市:ちょこっとスタバケ日光
- 2024年4月 運用開始。
- 市内の小中学校に通う児童・生徒
- スタバケ:「スタディー(学び)」+「バケーション(休暇)」の造語
- 年度内の平日に最大3日(連続取得もOK)取得出来る。
茨城県:ラーケーション(体験活動推進日)
- 2024年4月 運用開始。
- 県立学校及び一部の小中学校が対象。
- 年度内の平日に最大5日取得出来る。
滋賀県長浜市:ラーケーションの日
- 2024年9月 運用開始。
- 市内の小中学校と義務教育学校に通う児童生徒が対象。
- 年度内の平日に最大3日(連続取得もOK)取得出来る。
まとめ
家庭と地域が“学びの場”になる時代へ
「かわさきホリデー・アンド・スタディ(ホリスタ)」は、子どもたちの学びの場を家庭や地域にも広げ、より多様な体験を後押しする画期的な制度です。
まだ始まったばかりの取り組みではありますが、親子の時間を大切にしながら“生きた学び”を得る機会として、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。