「適用」と「適応」。
どちらも普段あまり使わない言葉ですし、言葉のひびきが似ているので「どっちかな~」と思いながら適当に使ってしまっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「適用」と「適応」の正しい意味と使い方を調べてみました。
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適用の意味・使い方
適用の意味は、「一般的な規則や定理を具体的な事例に当てはめること」。
たとえば、割引は販売側のルールに従って行われるものですし、パッチはプログラムなどに当てはめて不具合を修正したりするものです。
そのため、「適用」を使うのが正しいということになります。
例:不具合が出たので修正パッチを適用した。
適応の意味・使い方
適応の意味は、「ある状況に合うこと。」
また、「環境に合うように行動のし方や考え方を変えること。」
「生存のために環境に応じて生物体の生理的・形態的な特質が変化すること。」
だそうです。
したがって、「気温の変化に適応する」といった使い方が正しいといえます。
例:頭のかたい人は、目まぐるしい時代の変化に適応して生きることが難しい。
適用と適応の違いは?
適用と適応がまったく違う場面でつかわれる言葉であることは、わかっていただけたでしょうか?
もう一度簡単に使い方を比べてみると、適用はすでにあるルールなどを物事に当てはめること、適応は環境に合わせて自ら変化すること、ということができます。
番外編:摘要という漢字も
余談ですが、「摘要」という言葉もあります。
摘要の意味は「重要な箇所を抜き書きすること。また、その抜き書きしたもの。」だそうです。
なので、「法律の改正内容について摘要を作成した」といった使い方をします。
「適用」と同じ読み方ですが、意味がまったく違うので誤変換をしないように注意して下さいね。
まとめ
- 適用は一般的な規則や定理を具体的な事例に当てはめること
- 適応は環境に合わせて行動・考え方を変えること、生物が生理的・形態的に変化すること
言葉のひびきが似ているので間違えやすいですが、基本的には「生き物に関することについては適応、それ以外は適用」と覚えておくといいでしょう。
なお、適用と同じ読み方の「摘要」は、重要な部分の抜き書きのことです。
こちらも誤って使わないよう気をつけましょう。