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知識・教養

妻・嫁・奥さん・家内・女房・細君・御内儀の意味や違い、使い方

結婚している女性を表す言葉として、「妻・嫁・奥さん・家内・女房・細君・御内儀」などがありますが、それぞれの意味を理解して使っているでしょうか。
結婚している女性を呼ぶときには、状況や場面、相手に応じて言葉を使い分ける必要があります。
今回はこの言葉たちのそれぞれの意味や違い、使い方についてご紹介しています。

言葉の意味と使い方

妻 (つま)

配偶者の一方である異性。
(ア)結婚している男女間で、互いに相手を呼ぶ称。男女どちらにもいう。また、第三者からいう場合もある。
(イ)転じて現在では、夫婦の一方としての女。<->おっと
(広辞苑 第7版より)

一般的・公式的な言葉であり、法律上の公的な書類や続柄にも「妻」と記載されます。
「妻」という言葉は夫が配偶者である妻のことを呼ぶときの最も一般的な言い方です。

広辞苑では「男女どちらにもいう」とあります。その昔、「夫」も「つま」と呼んでいた時代があり、今現在でも俳句では「夫」と書いて「つま」と読むそうですが、一般的には使われなくなりました。
また、「第三者からいう場合もある」ともありますが、「○○君の妻が…」という言い回しに違和感があるように、現在では一般的に他者の妻に対して用いられません。

対義語は「夫(おっと)」。

例:私の妻が妊娠した。
例:私たちは結婚し、彼女は妻となった。

嫁 (よめ)

①息子の妻。
②結婚したばかりの女。新婦。
③結婚の相手としての女。嫁した女。妻。
④「嫁が君」の略。
(広辞苑 第7版より)

義理の両親が息子の配偶者のことを呼び表す時に使う言葉です。
「嫁」というのは「旧家制度の考え方」を反映した言葉で、「夫側の家に嫁いできた女性・嫁いできて義理の両親の娘になった女性」という意味のニュアンスがあります

また、「結婚したばかりの女性」や「妻(自分の配偶者である女性)」を言い表す意味もあり、自分の妻のことを「嫁」と呼ぶ使い方も間違いではありません
ただし、自分の妻を「嫁」と呼ぶのは「間違い」と記載している投稿も多く見られ、一般的には「息子の妻」との認識が強い為、改まった場所では「私の嫁は・・・」ではなく「私の妻は・・・」と話すほうが無難かもしれません。

対義語は「婿(むこ)」。

例:息子の嫁が挨拶に来た。
例:うちの嫁はよくできた嫁だ。

奥様、奥さん (おくさま、おくさん)

[奥様]
①公家に武家から嫁した夫人。身分の高い家の主婦。奥方。
②他人の妻の尊敬語。奥方。
③奉公する家の主婦。

[奥さん]
「おくさま」より軽い尊敬語。
(広辞苑 第7版より)

他人の妻を呼ぶ時に使われる尊敬語です。
「奥さん」は「奥様」をくだけた表現にしたもので、「上司の奥さん・彼の奥さん・○○君の奥さん」というように、他人の妻であればどんな場合でも使うことができます
ただし、「奥様・奥さん」は他人の妻に対する敬意を込めた敬称なので、「自分の配偶者・妻」を呼ぶ場合には使えません
「私(俺)の奥さん・うちの奥さん」などの用法は日常会話ではよく聞く言い回しですが、厳密には間違いであると言うことになります。

対義語は「旦那様、旦那さん」。

例:上司の奥さんに挨拶に行った。
例:○○君の奥さんはとても良い人だ。

家内 (かない)

①一家の内。また、家族。
②他人に対して自分の妻をいう語。家婦。
(広辞苑 第7版より)

目上の相手(自分よりも地位・立場・身分が上の相手)に対して、自分の配偶者・妻のことをへりくだって呼ぶ時の言葉です。
「家内」という言葉は明治時代頃から使われ始めたとされていて、「男性(夫)が外で働き、女性(妻)は家で家事育児をする」といった男女の性別役割分担に強い影響を受けている妻の呼び方です。
家内安全と言う言葉がある通り、一家全体も表します。

対義語はありません。

例:家内がいつもお世話になっております。
例:家内から連絡させていただきます。

女房 (にょうぼう)

妻。内儀。にょうぼ。
(広辞苑 第7版より)

ある程度親しい相手や自分と同等以下の相手に対して、自分の配偶者や妻のことを呼ぶ時に使われるくだけた言い方です。
「女房」は親しい間柄にある人の妻のことを話題にする場合(本人がその場にいない時)にも使えますが、本人がその場にいる時には通常使われません
また、目上の相手に対しても使われません

対義語は「亭主」。

例:うちの女房の料理はとても美味しい。
例:最近女房に怒られた。

細君 (さいくん)

①他人に対して、自分の妻をいう語。
②転じて、他人の妻をいう語。
(広辞苑 第7版より)

ある程度親しい相手や自分と同等以下の相手に対して、自分の配偶者や妻のことを呼び表すときに使われる言葉です。
「細君」は「細」という略語で使われることもありますが、先に述べた通り「細」は「妻」に由来しています。
「細君」は「あの人の細君・○○君の細君」などのように、他人の妻を呼ぶときにも使えますが、目上の相手の妻に対しては使うことができません
昔からある言葉で、現代では使われることが少ないかもしれません。

対義語はありません。

例:彼の細君は掃除好きだ。
例:細君はペットを飼いたがっている。

内儀、御内儀 (ないぎ、おないぎ/ごないぎ)

身分のある人の妻。転じて、他人の妻、特に町人の妻の尊敬語。
(広辞苑 第7版より)

「御内儀」とは、他人の妻を敬って言う言葉です。
おかみさんと同義で使われることが多い。
近世に主に京都で町屋の妻に対して使われ始めた言葉です。
こちらも昔の言葉で、現代ではあまり耳にしない言葉ですね。

対義語はありません。

例:彼の御内儀はよく気が利く。
例:あの店にはとても良い御内儀がいる。

「奥様/奥さん、家内、嫁、女房」は女性軽視?

ここまで結婚している女性を表す言葉をいくつかご紹介してきましたが、これらの言葉の中には呼ばれると「女性を軽視している」、「女性差別だ」と感じる方もいるようです。

「奥様/奥さん」や「家内」という呼び方には「外(表)に出ずに、家の奥にいて家事をする女性」、「家にいる人・家にいて家事育児や雑事の役割を担っている女性」といったニュアンスから、「家で家事や育児をする=女性」と捉えられ、夫婦共働きが増えてる現代にはそぐわない

「嫁」も、「女+家」と、女性を家と結びつける漢字の成り立ちや、「嫁にもらう」「嫁に出す」など、女性を物のように扱う表現に用いられることがある為、現代にそぐわない。

「女房」の語源は「宮中で家事雑事をする下働きをしている使用人(家事雑事のお世話をしてくれる人)」にあるため、男女平等の現代ではあまり適切な呼び方ではない

などなど、言葉の意味や使われ方を考えると、女性軽視と捉えられなくもないですね。
少なくとも公の場では「妻」を使って会話をするのがよさそうです。

まとめ

  • 「妻」・・・最も一般的・公式的な女性の配偶者の呼び方
  • 「嫁」・・・義理の両親が息子の配偶者のことを呼び表す時に使う言葉。自分の妻のことを「嫁」と呼んでも間違いではないが、一般的には「息子の妻」との認識が強い。
  • 「奥様、奥さん」・・・他人の妻を呼ぶ時に使われる尊敬語。自分の妻を呼ぶときには使わない。「奥さん」はややくだけた言い方。
  • 「家内」・・・目上の相手(自分よりも地位・立場・身分が上の相手)に対して、自分の配偶者・妻のことをへりくだって呼ぶ時の言葉。
  • 「女房」・・・ある程度親しい相手や自分と同等以下の相手に対して、自分の配偶者や妻のことを呼ぶ時に使われるくだけた言葉で、本人がいるときや目上の人に対しては使わない。
  • 「細君」・・・ある程度親しい相手や自分と同等以下の相手に対して、自分の配偶者や妻のことを呼び表すときに使われる言葉で、目上の人の妻に対しては使わない。
  • 「御内儀」・・・他人の妻を敬って言う言葉。

女性の配偶者を指す言葉はこれからも使うタイミングは必ずあると思うので、正しく言葉を理解して使っていきたいですね。
また、現代のジェンダー問題や時代の流れに沿った言葉などもあったので、使い分けていきたいです。
今回は「妻・嫁・奥さん・家内・女房・細君・御内儀」の意味や違い、使い方についてご紹介しました。