「叶う」「敵う」「適う」、どれも「かなう」と読みますが、漢字から来るイメージは、だいぶ違いますね。
それぞれの意味と使い分けについて、調べてみました。
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叶うの意味・使い方
叶うとは、願い事が実現することです。
例:先方から頼まれるとは、願ったり叶ったりですね。
例:この望みを叶え給え。
敵うの意味・使い方
敵うには、通常、否定する言葉をつけ、敵わないと書くことが多く、次のような意味になります。
1)そうすることができない、不可能であること。
2)対抗できないこと。
3)我慢できない、耐えられないこと。
例:この辺りで、私に敵う者はいませんよ。
例:こう寒い日が続くと敵わないなあ。
適うの意味・使い方
適うとは、条件や基準にぴったり合うことです。
例:お眼鏡に適うとは、光栄です。
叶う・敵う・適うの違いは?
「叶」という漢字は、元は、口=言葉という意味と、十=多数という意味が合わさって、沢山の人の言葉と合う、一致するという意味でした。
どちらかといえば、「適う」に近いですね。
望み通りになるという意味の「叶う」は、日本で生まれた解釈のようです。
「敵」は、相手、敵(かたき)といった意味で、対等にわたりあうという意味もあります。
通常、「敵わない」と非定型で書く場合が多いのですが、「あの人に敵うのは君くらいだ」というような書き方もできます。
「適」は適合する、一致するの意味です。
例えば、好きな人との将来について、神様にお願いする時は、「この恋が叶いますように」です。
強力なライバルがいて、勝ち目がなさそうな時は、「彼(彼女)には敵わない」となりますし、好きな人の好みが自分とかけ離れていることが分かったら、「私では適わないのかなあ」となるのです。
表現の対象をどこに置くかによって、「かなう」を使い分けていくんですね。
まとめ
- 叶うは願い事が実現すること。
- 敵うは、敵わないと書くことが多く、そうすることができない、不可能であること。対抗できないこと。我慢できない、耐えられないこと
- 適うは条件や基準にぴったり合うこと。
目的や希望を叶えるためには、敵わないようなライバルにも立ち向かう勇気をもち、難しい条件にも適うよう努力する必要があるのかもしれませんね。